表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/556

第99話 夢の中、誘(いざな)いによる涙




「南無三ッ!!」


 アンゼシカ(真美)は覚悟を決め、瞳を強く閉じた。深夜の時間帯、ゲームをしていて、ボス戦にて他のキャラが倒れ、回復アイテムが無い中、最後の必殺技を放つような状況に似ている。

 結果、奇跡的にボスは倒せた。その時は(ヨッシャッ!!)と、大声でガッツポーズをし、下から母に(やかましい)と、怒られた思い出がある。


 うう、ヴヴヴッ………お姉様………。


 思わず苦悶を浮かべ、無限のD(インフィニティD)のミリアは黒剣をギリギリの所に止めた………。位置は頭部、もう少し前にズレていたらザックリと両断され、この世からオサラバしていただろう。


「やったか?」


 悶え苦しむミリアに対し、サウルは不安な様子を伺う………。


「ああっ………ガアッ…………お姉様ッ………」


 無限のD(インフィニティD)のミリアはフラフラと左右に動き回り、黒剣を振り回し………そして地面に突き刺す。全身から漏れ出すように放出される光。ミリアの精神力、そして皆の思い出がDディアブロスいざないの声による支配を上回り、徐々に解放されつつ………。

 

 全身から放出される光は消え、元に戻るミリア。フラフラな身体、地面に倒れ落ちそうな所を………。


「ミリアさんッ!!」


 アンゼシカ(真美)はダッシュ。駆けつけて両腕を広げ、ガシッとミリアを抱き支える。


 Dディアブロスいざないの声に解放され、白濁する意識のミリア、ぼんやりと姿が映し出されるのは………。


「………お、ねぇ様?」


 ミリアはか細い声を出す。視界に映るのマスク・ド・aがアンゼシカお姉様とダブって見えた。


 そして………ミリアは手を地面にパタリと落ち、力なく気絶。体力と精神が消耗し、意識がシャットダウンした………。



  ★★★★★★


 ミリアは漆黒の世界にて、逃げ走っていた。息を切らし、ただひたすら走る。少しでも立ち止まれば飲み込まれ、支配されてしまう。


───ッ!!


 ミリアは立ち止まった。

 目の前にいるのは無限のD(インフィニティD)の人影。


  我に全てを………汝は我に………。

     汝は我に身を託し、力を授けよう………。


「私は、アナタの言いなりなんかにならないッ!!」


 ミリアは叫ぶ。


  否、我はそナた………。

    我のチかラを授ければ、汝の願いは思うがまま、そナタが敬愛するアンゼシカ・ヨハーソンを取り戻すことも可能であろう………。


 無限のD(インフィニティD)は人影は両手を広げ、ミリアを優しくいざなう。


「アンゼシカ………お姉様を………」


 ミリアは思わず反応した。アンゼシカお姉様を、強くて優しいアンゼシカお姉様を取り戻せる………。

 思わず涙を流し、あの頃の記憶が思い浮かぶ。




 読んで頂きありがとうございます。もし、気に入ればブックマーク、評価ポイント、感想をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ