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4話【朝のひととき】

「そういえば名前、聞いてなかったな」

屋敷で朝食をとっている途中、目の前でちょうど焼きたてのパンを頬張っているママに聞いてみた。まぁ勝手にママって呼んでるだけだけど。

「名前? あっ、言ってなかったね。

私の名前はアメリア。アメリア・ベーカーよ」

「ほーん。アメリアね。可愛い名前してんじゃん」

からかい混じりに言ってみた。

「えっ!? か、可愛い? そそそ、そうかしら、、、」

案の定照れた。自分の髪の毛を指でくるくるしている。

「冗談だよ」

「冗談!? 冗談ってなによ! このクソたらし男!」

いつものクールさからは見られないような姿だ。

「そんなことよりその服なんなんだ? 昨日も着てたけど?」

「あぁ、これ? これはグラエスタ魔法女学院の制服よ」

またよく分からないことを喋りだした。魔法とかなんとか....本当にここはファンタジーな世界だな。

「魔法? 魔法ってなんか呪文みたいなの唱えて杖から炎とかだすあれか?」

「簡単に言えばそうよ。主に火、水、風、土の四つの属性があるよ」

「それの学校があるのか?」

「ええ。私の行っているグラエスタ魔法女学院は選ばれた素質あるもののみが入れるすごい場所なのよ!」

すごく誇らしげな顔をしてるが俺には全く分からない。

「俺にもその魔法とやらは使えるのか?」

「いいえ。使えないわ。魔法というのは魔素というものがエネルギーになっているんだけど、その魔素は女性遺伝子だけから分泌されるものだから男性には使えないの」

なんだ面白くないな。少しは使ってみたかった。

「ならしょうがないな。魔法とか仕事に役立つと思ったんだけどな」

「仕事?」

「あぁ。いつまでもお前の家で養ってもらう訳にもいかないからな」

「素敵な志ね! 親から巣立つのも子供の役目だわ」

「親?」

「あなたが隠れて私のことママって呼んでんの知ってるのよ!」

バレていたとは....

「すみません」

「まぁいいわ。そういえば仕事したいならドーマ神殿に行ってみたら?」

なんか聞いたことがある名前だ。

「ダーマ神殿じゃないのか?」

「ドーマだけど、なんで?」

「い、いや。なんでもない。で、何をするところなんだ?」

答え次第によっては確実にアウトだ。

「転職だけど」

完全にダーマだった。

これまで出来なかった転職ができるようになった喜びは半端なかったよな。

「なんで急に転職なんだ? 俺まだ職持ってないぞ」

「ここの世界の人間は生まれたときから職業が決められているの。ちなみに私は魔女よ。あなたは召喚された人間だからたぶんニートっていう職業になってるわ」

非常に心外だ。

「そこに行けば仕事が選べるってわけだな」

今日はドーマ神殿とやらに行くことにしよう。

「じゃあ私学校行ってくるね」

「行ってらっしゃい」

「うん!」

今日はアメリアのいろんな一面が見れたな。



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