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貴方は夢から出られない  作者: ゆいか
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第2話

よく寝た気がする。そろそろ目覚ましがなるころかと思い目を開け寝返りを打とうとする。けれど体が動かない。そして目を開けたはずなのに暗いのか何も見えない。


「なにこれ?手が動かないんだけど」


声を発したはずだがいつもの自分の声と違く感じる。

縛られたり手錠をかけられてる様には感じないが手足が動かず身動きが取れない。もしかしてこれが金縛りなのだろうかと考える。金縛りの経験も知識もないが手足が動かず夢の様な状態。思い当たる節はそれしかなかった。


少しすると目が慣れてきた。それでもやはり暗い場所なのか近くのものが見える程度であり遠くの方やものはよく見えない。そして身体もまるで重力に慣れたかのように少しずつ動く様になった。


このよくわからない状況で軽率に動く気にはなれないため、身体は動かさず首だけ動かし周りを見てみる。

見たところベッドの柵らしきものと薄いシーツ、布団、床、壁しか見えない。電気をつけたりするものは見当たらない。

寝ている背中の感覚はいつも寝ているベッドより固く首を動かすたびにギシッと木が軋むような音がする。

明らかにいつも寝ているベッドや私の部屋とは違う。私は常夜灯をつけて寝るためここまでの暗さにもならない。


トン トン トン


静かな部屋に響くように近づいてくる足跡がする。暗闇の中のせいか音がとても大きく、不気味に聞こえる。

私は夢かと思いすぐに頭の中で夢だろと念じる。

しかし目が覚めない。

次に手足をこれでもかと動かし寝返りをうつ。


ギッ ギシッ ギッ ギー 


ベッドの軋む音が鳴る。この音により不気味さと恐怖心が増す。

しかし目が覚めない。

右手で左手をつねってみる。普段より小さく感じるが触ってる感覚も痛みもある。

しかし目が覚めない。

私は嫌な夢を見た時や夢から覚めたいた時これらの方法で試す。最初の2つはよくやる。最後のはよく漫画で見る為真似てみたというのが正解だ。ほっぺたをつねるという可愛らしいシチュエーションではない為手である。


ガチャッ


どの方法も効かずドアの開く音がしてしまった。


「目が覚めたのか」


ドアの音が聞こえた方向から男の声がする。

目が覚めた。いや覚めていない。私は自宅で昨日寝てから1度も起きていないはずなのだ。家の鍵はしっかり閉めたし合鍵を持っているのは管理人くらいである。どこかに移動することもできないはずであれば移動させられることもないはずだ。

しかしこの男は目が覚めたと言った。


人間理解のできないことに陥ったら全身が震えるのだろうか。暗く見えにくい場所。知らないはずの男の声。背筋が冷える感覚がした。


私は死んだのだろうか。ここには死んで転生したのか。いや、これは夢で何故か覚めにくいだけなのかもしれない。

ひたすらに自分の身体の腕や手をつねってみる。


「なぜ何も話さない」


男が近づいてきて声をかけてきた。ドアから5、6歩きただろうか。そこでやっと男の顔が見えた。


さぁ、この男性の正体とは。

そして、実際に転生だろうとなんだろうと見知らぬ場所にいきなりきたら怖くて仕方ありません?

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