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貴方は夢から出られない  作者: ゆいか
2/8

第1話


カラン カラン


店のドアの鈴がなる。そこにだいたい40歳前後の男性が見える。また、後ろにはちょっとキツめの雰囲気の女性がいる。年は30歳いかないくらいだろうか。今は21時45分。ずいぶんギリギリのお客様だ。


「いらっしゃいませ!」


私はすぐさま駆け寄り声をかける。


「本日は何をお求めですか?」


ここではスーツやワイシャツ、フォーマル用品などを扱っている。今日いらっしゃった方は何度目だろう。何回かは見たことある方だ。


「今日は嫁が一緒でね。ネクタイを選んでくれるというんだ。」


「まぁ!それは良かったですね!それではこちらの棚ですね」


棚の前まで案内をし少し様子を見る。すると奥様だと言われた女性は何個かを手に取り男性にあてがう。


「うーん、こっちかな?でも、チェックのシャツにドットのネクタイはガチャガチャ?でも、この色は可愛いし。あと、このピンクの可愛い!!」


棚の前に通してから10分随分お悩みの様だ。


「チェックのシャツでもそちらのドットでしたら小さめなのでガチャガチャせず合うと思いますよ。本日はどの様な機会で使用するネクタイなんですか?」


「普通に毎日の仕事で使いたいんだよ。流石にピンクはこの年じゃ恥ずかしいなぁ」


「えーでもピンク可愛いよ!おじさんでも似合うよ!」


「うーん、君がそう言うなら買っちゃおうかな」


男性は似合うと言われ嬉しかったのかご満悦だ。

最終的に22時20分閉店時間を20分過ぎ2つとも買って行かれた。


「ふぅ、、、店長ー!お客様全員帰られました。」


裏でシフト作業をしていた店長に一声かける。店長に知らせるとレジ閉めとお客様入り口の戸締りが終わったら帰っていいとのことだ。


全てが終わり店を出れたのは23時過ぎ、、、

電車に乗り寝てしまわない様に気をつけながら家に帰る。

頭の中は今日のお客様についてだ。

嫁と説明していたが女性は若く見えおじさんと呼んでいた。男性も女性を君と呼んでいて珍しく感じた。本当に夫婦だったのか。それに夫婦であれば閉店間際の夜に来る必要もないのではないか。ピンクという色もなかなかに際どい。

などと考えながら最寄駅につき歩き出す。


家に着くと睡魔に襲われる。しかしシャワーだけは入りたい。睡魔と戦いながらシャワーを浴びてベッドに入る。


ここでこの世界での私の記憶は途切れている。



皆さんは最初からあの夫婦が不倫なのではと思いましたか?ちなみに、ネクタイには束縛の意味があるらしく不倫相手の女が買うとなると宣戦布告という意味がある気がしますね笑

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― 新着の感想 ―
[良い点] よくわからない感じが良いですね。
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