『町に見えたモノ』そして言語
今回は色々とわかりにくくなりました。反省してます。一応後書きの方にヒント・・・というか半分ネタバラシを載せておきます。
・・・アレから大体2時間は移動していただろうか。 できる限り『エモニル・タイム』を使いながら移動してきたから、現実時間で言えば5分も経ってないな。 『こういう』使い方も確かに実用的だが、『移動先』の状況は『エモニル・ワールド』からわからないから、街中では使わない方がいいだろう。
そして、新しく発見した事実だ。『エモニル・ワールド』内では、何をしようが疲れない。
つまり、『エモニル・ワールド』の中ではどれだけ猛ダッシュしてもいい訳だ。 そのおかげで、遥か遠くに微かに見えるレべルだった『町に見えるモノ』が、今や目と鼻の先だ。
(・・・そして気づいた。 『遥か遠く』からでも『町に見える』物が、『2時間猛ダッシュしてやっと着く』程の距離にあるのに『町のようにも見える』物が、『ただの町』なはずがない。)
―――そこにあったのは、ファンタジーチックで巨大な『壁』、そしてその『壁』に大量に『乗っかっている』謎の・・・・
(・・・いや、なんだアレ? 見た感じ人工物だが、どの『地球史』にも、どの『ファンタジー』にも見たことのない『ナニカ』が乗っかってる。 とりあえず、色は『黄土色』と『千草色』と『蘇芳色』の3つがランダムに絡まっていて、形状は『よくあるビル』に『弄りすぎて大分いびつな形になった針金』の太いバージョンを悪戯に生やしまくった感じ。 言葉だけじゃ形容できないなコレ。 なぜ『千草色』や『蘇芳色』を使ったのかもわからないし、なぜビルに悪戯にいびつな形になった針金』みたいなのを生やしたのかも何もかもわからな―――)
「مسا لخير!」『背後』から、『声』が飛び出す。
(―――――!?)反射的に振り返り、直ぐに距離を取る。
『そこ』に立っていたのは、白い肌に尖った耳、そして整った顔立ちという、所謂『エルフ』のイメージと大方似通った姿の、身長180cmぐらいの青年だった。 キョトンとした表情をしている。
「? مسا لخير!」
(アラビア語だな。 今のところ危害を加える様子はないか)
「يا مساء الخير」とりあえず挨拶を返す。
(・・・何が目的なんだ? ただ挨拶しただけという事もないだろ。しかも『背後』にいたんだぞ? 何かしら目的があるに決まっ「بسلامه」
―――そう言って、『エルフ』に見える青年は『壁』の方に去っていった。
(・・・・・・一体どういう文化なんだ)
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あの後は、『彼』の例を鑑み『エモニル・タイム』無しで歩いて『壁』に向かった。
そしてまた10分程歩いたぐらいだろうか。 『今度は』正面から声をかけられた。
『声の主』は、『白い肌に尖った耳、そして整った顔立ちという、所謂『エルフ』のイメージと大方似通った姿の、身長180cmぐらいの青年』
「Dobra večer!」
(――――!? なんでまた『コイツ』が挨拶してくるんだ・・・!?)
「? Dobra večer!」
(そんで今度はボスニア語か・・・なんでまたこんな・・・)
「Dobro veče」また挨拶を返す。
「Bok!」
そう言って、『エルフ』に見える青年は『壁』の方に去っていった。
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また10分。『今度は』左から声が聞こえてくる。
その声の主は、『白い肌に尖った耳、そして整った顔立ちという、所謂『エルフ』のイメージと大方似通った姿の、身長180cmぐらいの青年』
「God kväll!」
(『コイツ』の機嫌を損ねるとどうなる・・・!? 『コイツ』には何かしら『能力』があるのか・・・・!?)
「? God kväll!」
(今度はノルウェー語だ! そして意味が『おやすみなさい』に変わっている!)
「??? God kväll!」大袈裟に首を傾げながら話しかけてくる。
(ちゃんと『その言語』で『応えた』ら、問題は無かった・・・冒険はするものではない・・・)
「God kveld」返答。
「Hade!」
そう言って、『彼』は『壁』へ。
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10分。『右』。
声の主は『エルフらしき青年』
「こんばんは!」
(『日本語』が来たぞ・・・!? 今俺は『何』をされている・・・!?)
「? こんばんは!」声は『機械的』とは程遠い。 『彼』の『眼』も、こちらの『眼』を捉えている。
「こんばんは」返す。
「知恵と発展の国『セーレ』へようこそ! 『我々』は貴方を歓迎します!」―――突然、『彼』は、『イキイキとした声で』話し始めた。
(!? 理解が追い付かないぞ!? 何故いきなり・・・)
エルフらしき青年は、『空間』に謎の『隙間』を開けた。
「さあ! この『扉』をお進みください!」大袈裟な仕草で促す『彼』。
「・・・・質問をしても?」思わず口から零れる。
「どうかなさいましたか?」『大袈裟に首を傾げる彼』。
「さっきまでの・・・・は、一体どういう・・・」上手く表現することができなかった。 が、意図を汲み取ったのか『彼』は『大袈裟な笑顔』で返答する。
「『言語登録』でございます。 『担当』の職員の者がおりますので、詳しくは『扉』の中で」
―――新事実だ・・・・『地球語』が・・・『日本語』が『使える』・・・・・・・・!
アラビア語のこんばんはは「مساء الخير」
アラビア語の『モロッコ訛り』は「مسا لخير」
ボスニア語のこんばんはは「Dobro veče」
クロアチア語のこんばんはは「Dobra večer」
ノルウェー語の『おやすみなさい』は「God kveld」
スウェーデン語の『こんばんは』は「God kväll」
共通して、とても発音が似ています。実は「バイバイ!」の所にもヒントが。
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