『分析』そして真の始まり
3話です!風邪で暫く小説を書けませんでした・・・
・・・あの後、色々と『『タイム』の世界』について調べてみた。
まず、一番重要な『発動条件』や『クールタイム』、『デメリット』について。
発動条件は、『能力よ出ろ』という俺の意思、そして、文脈に関わらず『タイム』と発声する事。
この『発声』については、余りにも滑舌が悪かったり、余りにも声が小さいとダメ。 正確な境界線のようなものは今のところ不明だ。それに、そんな有り得ない程面倒臭そうな研究したくない。
次に『クールタイム』だが、『帰還』後に10秒程存在する。
たかが10秒だが、『億年ボタン』的な使い方をしようとすると、一億年だけでもウン億分を裕に超える事になる。 『そういう』使い方をすることは相当な事が無い限りないだろう。
そしてデメリット。というよりは『クセがある能力なだけ』という表現の方が正しいが。
『『タイム』の世界』に居られる時間は(正確に丁度5分だと測ったわけではないが)5分固定。それ以上長くなる事はなく、短くなる事もない。 (もっとも、短くする術も『まだ見つけていないだけ』で存在するのかもしれないが)
また、『タイム』を使うと腹が減るだとか、疲れるだとかの『明確なデメリット』は無いようだった。
その他わかった事。
その1・『『タイム』の世界』内で移動すると、『現実異世界』に『戻る』際、『『タイム』の世界』で移動した距離分、『現実異世界』でも対応した地点に『戻る』。 この際、その『移動先』に存在するあらゆる物質は『戻る』瞬間に消滅する。少なくとも『生きている虫』と『虫の死骸』と『草』と『モノ』は消滅した。
その2・『タイム』発動時、自分の触れている『非生物』は『『タイム』の世界』に、自分と同時に連れ込まれる。 この『非生物』は『虫の死骸』も含まれるため、恐らく『動物の死体』や『ヒトの死体』も連れていける。 また『連れ込んだ』物は俺が『連れ込んだ』瞬間から『『タイム』の世界で存在する力』か何かを獲得するようで、俺が『『タイム』の世界』で『手放し』てもそこに存在し続ける。
そして『現実異世界』に『戻る』際、その1と同じ様な理論で『対応した地点に戻り』、『そこにあった物』を消滅させる。
その3・『タイム』だけだとダサいので、『エモニル・タイム』と呼称するとかっこよくなる。 『タイム』は『タイムと発声する』部分と『能力を出すという意思』部分にトリガーがあるので、『エモニル』が前に付いていても問題はない。 緊急の時は『タイム』だけ発声すれば大丈夫だ。ちなみに『エモニル』は『Only me』のアナグラムだ。オシャレ。
その4・『『タイム』の世界』と書くのはダサい上にわかりにくいので、『エモニル・ワールド』と呼称するとかっこよくなる。 ていうか『Only me』のアナグラムで『エモニル』ってすげえな俺。センスいいな俺。
(・・・そして最後に。コレに関してはあまり『エモニル・タイム』によるものだと確信は持てていないが、『時の流れ』が遅い気がするのだ。 その証拠に、結構な時間『エモニル・タイム』の実験をして、かれこれ30分は『エモニル・ワールド』にいたのに、未だに月も出ておらず、また『完全な暗闇』でもない。 まだ微かに明るいのだ。前者は新月や曇りで説明がつくが、後者は『まだ日が完全に落ちきっていない』という事に他ならない。 となれば、導き出される仮説は3つ。)
1つ。『エモニル・タイム』中に『現実異世界』の時が流れることはない。
2つ。『この異世界』は、時の流れが遅い。
3つ。『自分以外の誰かの能力』で、時の流れが遅くなっている。
1つ目が最有力。『時間系の能力』というのが『こういう意図』とすれば辻褄が合う。
2つ目は、先ほどの日没までの時の流れは体感的には正常に思えたので、恐らく無い。 あったとしても考慮に値しない。
3つ目。『敵の攻撃』の可能性があるので、一応考慮しておかなければならない。 もしかしたら本当に『どこかの誰か』で、何かしらの実験を行っているだけの可能性もあるが。
(・・・さっきのだけでもう割と『敵の能力』考慮して気ぃ使うのお腹一杯なんだが。 というか『時間の経過を遅くする能力』とかどうやって対処するんだ? 『タイム』の詠唱する前に殺されるだろコレ絶対。 強すぎるぞ明らかに)
よし。もう考慮しないようにしよう。 もう敵とか何とか知ったこっちゃない。もうアレだ。1つ目の仮説『『エモニル・タイム』中に『現実異世界』の時が流れることはない』で確定って事にしよう。終わり。もう結論出ました。
んで、もうそれはいいとしてだ。 さっき『モノが落ちていない事を祈りながら地面にキスでやり過ごす』と言っていたが、予定を変更する事にする。
さっき遥か遠くに見えた『町に見える何か』に向かう。
(・・・俺には今『エモニル・タイム』がある。 『移動先のあらゆる物質は消滅する』能力で、疑似的に時間停止攻撃もできるし、『エモニル・ワールド』で歩けば疑似的な瞬間移動までできるのだ。 『異能力を持つ動物』以外、もう恐れる事はない。 只の動物であれば、熊だろうが獅子だろうが相手できる。『モノ』も最早敵ではない。)
それに、町へ行けば『この異世界』について何かしらわかることがあるだろう。 衣食住の全てを手に入れたいとまでは言わないが、『食』だけはなんとかしたい。『可食草』『可食獣』『可食虫』『可飲水』の4つを知っていればとりあえず生きていけるので、一先ず一番優先するところはソコだな。
――――そして、『自分だけの時を創り出せる少年』は歩き出した。
『時の流れが遅れている』に関しては割と諸説あると思います。久良俊平君の中学三年生らしい所ですね。ちょっと早とちりしちゃってます。
(ちなみにタイトルの『真の始まり』については、『能力』の詳細もわかって、これから町行って色々するよ!という意味もありますが、1話と2話までは『久良俊平』君が凄い子だよ!というアピール的な側面が強かったという理由もあります。)
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