8/11
8........
「……5年、必死こいて守ってたみたいだぜ。ただ、最近、キナくせえんだ。……こいつら、だから、ちょっとあせっちまったみてえで……犯人探し、していたんだ、と」
背中から聞こえてること佐波委の声に僕は疑問がふつふつとわいてきて消えない。僕は、少し震えながら尋ねる。ただのクラスメイトだった筈なのに。
「……きみ、君は、なに?何者?」
佐波委は、近づいて僕に身を寄せると笑うように軽く言った。
「俺は、お前のクラスメイトで……おっと、お出ましだ!はやいねえ」
ヒューっと佐波委がおちゃらけて口笛を吹くと同時に、山小屋のドアがかたかたかたと大きく揺れ出した。