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「なっなんだよこれっ」
「きゃあああああっ」
「助けて!おち、おちる!いやああ!」
流石にこの状況には、このバスの乗客達も恐怖を感じているようだった。僕は、ただただ、びくびくするしかない。何故なら、皆、窓際に人が集まり過ぎてよりバスが落ちそうになっているからだ。お願いだからそーっと動いてっ!という気持ちだ。ぼろぼろにされたバスの強度も心許なく、空いた壁穴から風が吹き込んでくる。ギィとバスが軋む音。
♪
「ははは。皆様、お楽しみ頂いて何よりで御座います。なぁに心配は要りません。このバスが落ちることは無いのですから。皆様、ギリギリの恐怖を存分にお楽しみ下さいませ♪」
隣で佐波委が、大きくため息をついた。