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僕は、ちろちろと佐波委の様子をうかがう。佐波委は、何かを知っているのだろうか?
ガクンと大きくバスが揺れたと思った瞬間に急停車して、僕はむき出しの前の座席の背もたれにしがみついた。
「きゃ~!この心霊ツアー、凝ってるよねぇ。バス破壊イベントってなんだろうって話してたけど、本当にしちゃうんだもの!」
「ねぇ、でもちょっとやりすぎじゃない?」
前の女性二人の話を聞いてしまい、僕は先ほどの認識を改める。美人で優しそうだけれど、ちょっとやばい人だ!
♪
「さぁ、皆様、ここから先は、前紹介でもあったように恐怖体験目白押しで御座います!皆様、どうぞ外をご覧下さい」
僕は、外を眺めて声を失った。なんと、バスが崖っぷちに乗り上げて不安定にゆらゆらしている。