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例深山の妖怪  作者:
4/11

4....

僕は、ちろちろと佐波委(ざわい)の様子をうかがう。佐波委は、何かを知っているのだろうか?

ガクンと大きくバスが揺れたと思った瞬間に急停車して、僕はむき出しの前の座席の背もたれにしがみついた。


「きゃ~!この心霊ツアー、凝ってるよねぇ。バス破壊イベントってなんだろうって話してたけど、本当にしちゃうんだもの!」

「ねぇ、でもちょっとやりすぎじゃない?」


前の女性二人の話を聞いてしまい、僕は先ほどの認識を改める。美人で優しそうだけれど、ちょっとやばい人だ!


「さぁ、皆様、ここから先は、前紹介でもあったように恐怖体験目白押しで御座います!皆様、どうぞ外をご覧下さい」


僕は、外を眺めて声を失った。なんと、バスが崖っぷちに乗り上げて不安定にゆらゆらしている。

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