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例深山の妖怪  作者:
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3...

ガシャン!

何かをけたたましく切り裂くような物音がして、再び目を開けた僕は、目の前の光景に怖気が走るのを感じた。僕の目の前を這っていく人が手にしているのは斧。その人らしきそれは、気が向く度に破壊したがっているように見える。僕の目の前にあった筈の椅子はひしゃげて骨組みだけになってしまっていた。

奇妙なことに僕の前に座っていた女性二人組はそのような状況を全く気にしていないようで、楽しげに何事か話をしている。僕が唖然としていると、楽しげな音楽と共にアナウンスが流れた。


~♪

「さて盛り上がって参りましたね!おっ!先ほどまで熟睡中だった方、目を覚ましましたね!暫く僕らと運命共同体となる仲間の彼、自己紹介をお願い致します~♪最後の自己紹介はあなたですよ~♪」


僕は、焦りながら、隣の佐波委(ざわい)を見ると、彼は、ちっと舌打ちをして、早く終わらせろと目線で即してくる。顔を上げて、マイクを持ったお兄さん?を見ると、彼は黒い翼を身につけていた。目の下には黒っぽいアイメイク。!?謎のお兄さんのそこかしこで楽しげに斧で破壊する人らしきもの。目の前の状況は、次第にぼろぼろになっていくバスと相まって不思議な異空間となっていた。こんなにひどい状況なのに周りの乗客で取り乱す人は一人も居ない。僕は、顔を強ばらせながら、前のお姉さんからまわってきたマイクを受け取る。にこっとされて、お姉さんが優しそうな美人さんだったことに助けられた気持ちでマイクを手にとった。垂れ目のふわっとした雰囲気の綺麗なお姉さんだった。


「……は、初めまして、僕は、久瑠木(くるき) 真也(しんや)です。その、宜しくお願いします」


僕のすぐ横で、また、ガシャーンと壁が破壊され、穴があいた。

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