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森がわらえば  作者: 蜂矢ミツ
8/11

こもれび坂道

ドドドドドドド。


急な坂道を、暴れん坊のアライグマが駆けのぼっています。


ドドドドドドド。


そうかと思えば、今度は駆けおりてゆきます。



「やあやあ、今日も暴れてるねえ。


 ……いつごろ終わるかなあ」



アライグマは暴れん坊なので、よくこうしてひとつの道を、


駆け回っているのです。



そのようすを、お人好しのキツネと、歌上手のコマドリが、


困ったかおでながめています。



それもそのはず。


キツネたちが通りがかってから、アライグマは、もうかれこれ十回ほど往復していたものですから。



「広場じゃなくてもいいじゃない。


 どこかちがうところにしましょうよ」



コマドリはとべるので、ひとりであれば行けないこともないのですが。


キツネと一緒がいいようです。



「うーん。今日はぽかぽか陽気だから、


 広場がとってもよさそうなんだがなあ」



あきらめきれず、そのまま動かずながめていると。



「なにさ、きみらここを通りたいの?」



にょろにょろと、食いしん坊のヘビが通りがかりました。



「なにかおいしいものくれたら、何とかしてあげなくもないよ」



しめた、とキツネは、おやつに採っておいた、オレンジ色のきのこをヘビにあげました。



「こーしょーせーりつだ。ちょっくら待ってなよ」



そう言うと、ヘビはにょろにょろ、坂道をのぼっていきました。



そうして坂道の上のほうで止まり、


おとろえない勢いのまま、坂を駆けあがってくるアライグマを待ち構え。


ちょうどいいところで、ヘビは見事に、アライグマにするりと巻きついたのです。



こしょこしょこしょ。


ヘビは巻きついたまま、器用にアライグマをくすぐります。



ドドド、ドド、ド。


アライグマのいきおいが、段々とおとろえ。


くすぐったさで、ついにはぺたんと座り込んでしまいました。



「ありがとう、これで通れるよ」


「毎度あり―」



こうして、キツネたちは、無事に広場へむかうことができました。

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