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葉っぱのねどこ
がさごそ、がさり。
歌上手のコマドリが、なにやら葉っぱの山をつついています。
「隠れてたって、わかっちゃうのよ。
くるんとしっぽがみえてるわ」
よくよく見れば、うずたかく積まれたはっぱのよこ側から、
こんがり色の、しっぽとあしがとびでています。
お人好しのキツネは、まだまだ眠そうに、
むにゃむにゃ言いながら、うっすらその目を開けました。
「今日はおひるね日和だよー。
ぽかぽか、ふかふか、いい気持ち。
きみもいっしょに、おひるねしようよ……」
ふわわわわ。
コマドリがすっぽり入れそうなほど、大きなあくびをひとつして。
ふたたびくるりとまるまって、キツネはふたたび眠ります。
「あたちはちいとも眠くないのよ。
でも、しかたがないから、つき合ってあげる。
子守唄でも、うたうのよ」
コマドリは、葉っぱの山に寄り添って。
いつもよりもずっとちいさな声で、ささやくように歌います。
ぴぴぴ、ちちち、ひょろろろろん