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第68話 討伐の完了

思わぬ邪魔が入ってしまったがハジメはヒッポちゃんに跨ると、キングブラウンスライムを誘い込みに向かった。


「合図を送ったら一斉に魔法を撃ち込んで欲しい、残り1匹になるまで減らしたら後は俺が何とかして喰ってみるから」


グリフォンに変化したヒッポちゃんが軽く羽ばたくと、皆と居た駐屯地からあっという間に離れてしまった。


「こ、これ物凄く速くないか!?」


『うむ、グリフォンとはこれほどまでに速く飛べたのだな』


「引き離しすぎると追ってこないかもしれないから、手を抜いて飛んでくれよ」


『中々に難しい注文を言ってくるなハジメ』


キングブラウンスライムの群れの上空に到着すると、その数の多さに圧倒された。


「想像以上に数が多いな、40体以上居るんじゃないのか?」


『そう考えるとブラウンスライム2000匹以上の大所帯って事にもなるな』


「ここで考えるのはよそう、まずは魔法の届く場所まで誘導して数を減らしてもらわないと」


少し離れた場所に一旦下りてもらい、適当な大きさの石を拾う。それを1番近い奴に投げると見事に全てのキングブラウンスライムがリンクして、ハジメに襲い掛かろうとしてきた!


「うわっ!ちょっ待って!」


急いでヒッポちゃんに乗ってその場を離れる、軽自動車位の大きさのスライムがポヨポヨと跳ねながら追いかけて来る姿は何となく可愛いが、捕まったら最後逃げる事も出来ずに体内で消化されてしまうだろう。


間一髪でかわしながらハジメとヒッポちゃんは予定の作戦ポイントへの誘導に成功した。


「フレイムキャノン!」


上空に向かって撃つと、それを合図にスライム達の足元に無数の魔方陣が浮かび上がる。そして次々と範囲魔法が発動しキングブラウンスライムの数が1体、また1体と減っていった・・・。




1時間近く続いた攻撃によって、キングブラウンスライムは何とか1体まで数を減らした。周囲にはブラウンスライムが2・3匹居るが誤差みたいなものだ。


残りの1体に近づくとキングブラウンスライムはヤケクソ気味に体当たりを仕掛けてきたが、ぶつかった瞬間ハジメの身体がグニャリと歪んだ。


「形状変化」


ハジメは全身をゼリー状に変えると、キングブラウンスライムを丸呑みした。こうする事で分裂する為の隙間を無くす作戦だ。


(いただきま~す)


巨大化させた口の中にスライムが入っている状態なので、心の中で言いながらキングブラウンスライムの味を確かめる。ブラウンスライムがビーフステーキの味だったので、お肉系に期待していたのだが実際の味は・・・。


(・・・甘栗だ、これ)


ブラウンスライム50匹が融合してキングブラウンスライムになると、味が甘栗に変化していた。グレードを落とされた様な何か悲しい気持ちになったハジメは、食べ終えて元の姿に戻ると口直しに残ったブラウンスライムを捕まえて喰うのだった。


「ただいま」


討伐に成功したわりにあまり嬉しそうな顔をしていないハジメを見たランは、どんな味だったのか尋ねてみる。


「ハジメ様、キングブラウンスライムの味はどうだったのだ?どんな肉の味がしたのだ?」


「すまんなラン、キングブラウンスライムになると肉じゃなくて甘栗の味に変わってしまう様だ。喰った俺が言うのもあれだが正直ガッカリするぞ」




味の説明を聞いたミリンダやサリーネ達のガッカリとした表情を見ているとマリアが肝心の事を聞いてきた。


「ねえ、ハジメさん。キングブラウンスライムから何か能力は得られたのですか?」


「おっと、そうだったそうだった。どれどれ・・・」


ハジメは【分裂・融合】を手に入れた。


(分裂と融合?)


使い方がよく分からないハジメはとりあえず使ってみる事にした。


「分裂!」


一瞬だけ身体が光ると頭頂部から2つに裂け始め、20秒ほどでハジメは2体に分裂した。


「おお、すげぇ!」


「すげぇな、これ」


2人に増えたハジメが別々に話すのにも驚かされるが、それ以上に驚かされたのがマリアの言った言葉だ。


「2人とも別の事を考えています、単純の分身でなくて個々の判断で考え行動する事も可能かと」


「それじゃあ、どっちが本体って事になるかしら?」


セシリアの率直な疑問にハジメ1号と2号は俺こそが本体だと言い始める。


「俺が本体だ、間違いない」


「何を言うか、俺に決まっているだろうが!なあ、セシリア」


「は、はい、そうですね」


「みろ、セシリアはちゃんと見抜いてくれたぞ」


「ずるいぞ、誘導尋問するなんて!?」


喧々諤々と言い争いを続けるのでミリンダが頭をかき乱しながら、怒り出した。


「どっちが本体でも関係ありません!それでも決めたいのなら、2人で【融合】を同時に使えばはっきりするのではないですか?」


「「・・・あっ!?」」


こんな時の返事だけはシンクロするハジメ1号2号だった。




結論から言うと、両方本体で両方分体とも言えた。2人で同時に融合を使うとお互いが引き寄せられて融合するので、先に融合を使った方にどうやら引き寄せられるらしい。


「ちなみに何体まで分裂可能ですか?」


サリーネが何故か頬を染めながら聞いてくる、彼女の方を見たマリアも釣られて顔を赤くしているので何か考えが有って聞いてきたのだろう。


それからどこまで分裂が可能か試してみると、1⇒2⇒4⇒8⇒16と最大で16体まで分裂可能だと判明した。


「どうやら16体まで分裂が可能みたいだよ、サリーネ」


「本当ですか、良かった~!?これでもう何の心配もしなくて済みますね姉様方」


(一体、何の心配だ?)


ハジメの疑問はセシリア達が代わりに答えてくれた。


「なら、結婚した後の夜の順番を決める必要も無さそうですね」


「問題は同じ日に産まれた時のきょうだいの順番くらいでしょうか?」


「どうせ皆も今晩から早速分裂したハジメ様と共に過ごすのであろう?今後はセシリアから順に1~5号と分裂したハジメ様の事をそう呼ばないか?」


「名案ですね、ランさん」


ハジメの返事も確かめずに次々と決まっていく夜の決まり事、この日の夜からハジメは必ず5体に分裂する事が義務付けられたのだった・・・。


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