第65話 いずれ未来の子だくさん?
今回得られた能力=【精力増強】・【運動性&生命力向上(オタマジャクシ限定自動発動)】
(・・・・何、このオタマジャクシ限定って能力?)
しかも自動発動かよ!? 大勢の子供たちに囲まれる未来しか思い浮かばない。5人の女性を妻に迎えようとしているのだ、5人同時におめでたとなる可能性は非常に高い・・・。
「ハジメ様、ブラックバグズを喰ってどんな能力を得たのじゃ?」
考え込んでいるハジメを見てランが興味深そうに聞いてくる、セシリアやサリーネ達も聞き耳を立てているので内心では興味を示しているのだろう。ハジメは正直に話すことにする。
「得られた能力は【精力増強】・【運動性&生命力向上(オタマジャクシ限定自動発動)】、2つ目の方は俺だけなのか男だけしか得られないのか良く分からんな。女性が食べるとどうなるかは喰ってみないと・・・っておい!」
ガツガツガツガツ・・・! 急にミリンダが焼いたブラックバグズを食べ始めた、突然の出来事にハジメだけでなく近くに居たマリアも止める事が出来ない。無くなるとハジメに再度焼いてもらい食べ続ける事20分、ようやくミリンダの手が止まった。
「はぁはぁ、得られる能力が分かりました・・・。得られる能力は【排卵誘発(自動発動)】、私達も食べればハジメとの子を産める可能性が高まります」
(あ、これダイナスの6日目午後と同じ展開になりそうだ)
ランが駐屯している魔族軍の全兵士に向け命令を与える。
「皆の者、今すぐ周辺に居るブラックバグズをかき集めてくるのだ!こやつを男女で喰う事で子宝に恵まれ易くなる様だ、父上にも早く孫を抱かせてやりたい。協力を頼む」
ランの命令を聞くと同時に魔族軍の兵士の中でもブラックバグズを食べ始める輩が出てしまった、よほど子供が欲しいとみえる。なので目の前で堂々と行われる命令違反をランやカルーラは黙認するしかない、そうなると逆に燃え始めるのがセシリア達女性陣だ。
「こうなったら、誰が先にハジメさんの子を作るか競争ですね」
サリーネが身体をほぐし始める。
(おい、話が飛びすぎているぞ)
「妻として迎えられる順番では最後ですが、子供を作る競争では負けません!」
マリアも気合を入れて腕まくりまでしている。
(俺の体力や意思は完全に無視ですか?)
「へへ~ん、いつの世も弱肉強食。ハジメの子を先に作るのは私じゃ~!」
フライングでブラックバグズの奪い合いに飛び出していくラン、出遅れた事に気付いたセシリア・サリーネ・マリアの3人も走り去って行った。呆然と見ているハジメの肩をミリンダが掴んだ。
「ハジメ様、以前から私は大の為に小を切り捨てても構わないと言っておりましたよね?」
「は、はいそうです」
「何故、私が急にブラックバグズを食べたと思いますか?」
「まさか・・・・」
ハジメの額に脂汗が流れる、ミリンダはニッコリと微笑みながら残酷な答えを返す。
「ハジメ様の返事で女性にも似たような能力を得られると確信したからです、ハジメ様との子を作れるという大事の前では妻としての順番などという小事には構っておれません。幸い、4人共ハジメ様から離れてしまいましたので安心して連れ出せますね」
シュン! 何か微かに音が聞こえたかと思うとハジメの首には極細の鋼線が巻かれていた。
「さてとちょっとだけ2人で人目に付かない場所へ移動しましょう、無論拒否権は無いですよハジメ様♪」
こうしてミリンダは他の女性達との子作り競争に1歩先んじる事に成功したのだった・・・。
「ミリンダさんずるいです!ハジメを連れ出すだなんて」
「くっ!よもや私が弱肉強食の世界で負けるとは」
「私もミリンダ姉さんの様にもっと積極的にいかないと」
「次は私に順番を・・・・いえ、何でもありません」
セシリア達から非難されながらも満面の笑みを浮かべるミリンダの顔はツヤツヤテカテカしている。魔族軍の駐屯地で繁殖していたブラックバグズはたった半日で全て胃袋に収まりGの問題は解決した。しかし、ハジメは最後に罰が当たる事をすっかり忘れていた。
「ブラックバグズが居なくなって良かったですわね、婿殿」
「そうだね、これでキングブラウンスライムに集中出来るよ」
「では婿殿、最後に言い残しておきたい事は何か有りますか?」
「えっ!?」
振り返った瞬間、ハジメは大事な場所をアーシュラさんに蹴り上げられていた。
「・・・・・・グフッ」
ドサッ 一瞬で白目を剥いてその場に倒れるハジメ、本気で蹴られていれば身体はバラバラになっていた筈なので手加減はされていたのだろう。お仕置きを済ませたアーシュラさんは次に牙を向けたのが夫の魔王カルーラだった。
「さて、あなた。そろそろ私、3人目が欲しいのよね」
カルーラが冷や汗を流し始める、しかもヤケに怯えている。
「どうやらあの虫には子宝に恵まれる能力を得られるみたいなの、探して食べてきて頂戴あなた」
「お、おい今すぐか!?」
「今すぐよ、キングブラウンスライムは婿殿達に任せておけば良いから私達はその間子作りに励みましょ」
走り去っていくカルーラに手を振って見送るとアーシュラは気付かれない様に赤く染まった頬を隠した。
「私が苦手な事を気付いていたくせに皆に黙っていた罰よ」
魔王の子供と孫が同い年になる可能性が非常に高くなりそうだった・・・。




