表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/84

第2話 スライム達から得ていた力

(口の中がシュワシュワして何時も通りのメロンソーダ味だ、このグリーンスライム)


 初めてこのスライムを食べた時は物凄い勇気が必要だった、しかし食べてみるとその食感と味を気に入り今では口直し代わりに定期的に食べないと気が済まなくなっていた。

 そして始の悪食と呼ぶべきスライム喰いはこれだけで終わらず、他にもわざわざ探しに行って新しいスライムを見つけるとその度に口に入れていたのだった。



パープルスライム(ブルーベリー味)=麻痺毒を用いて獲物を麻痺させ動けなくさせてから消化して食べるスライム、何故か始は素手で触れていたのにも関わらず麻痺する事が無かった。



レッドスライム(トマト味)=体当たりで獲物を倒して捕食する非常に攻撃的なスライム、しかし口を開けて待ち構えていた始に自ら食べられに行く格好となった。



ブラウンスライム(ビーフステーキ味)=レッドスライム同様に体当たりして獲物を捕食するスライムだったのだが、始に粗方食い尽くされ現在モンドール村周辺では目撃されていない・・・。



ピンクスライム(ピーチ味)=主に虫や動物の死骸を食べる無害のスライム、村から少し離れた森等の場所で多く生息しているので見つけるのも簡単。



 ちなみに最初に食べたスライムはブルースライムと呼ばれるおり、畑を荒らす悪戯者としてイノシシ同様に嫌われていた。




 ハンスの畑のスライムを退治してから数日経ったある日の事、始はお裾分けで貰った野菜を捌こうとして指先をナイフで少し切ってしまった。


「痛っ!」


 切った指先を見た始はその傷口があっという間に塞がり、元通りになってしまうのを見て驚いた!


「何だこれ、どうなっているんだ!?」


 始は前にハンスの奥さんから教わった、自分の能力を確認する方法を試してみる事にした。




ハジメ・サトウ


LV31


メイン職業 村人


サブ職業 怪物喰い(モンスターイーター)



保有能力 【丈夫な胃袋】・【共通言語】・【形状変化】・【視界強化】・【暗視能力】・【再生】・【筋力向上】・【体力向上】・【状態異常無効】・【局所硬化】・【体液媚薬化】




「な……なんじゃこりゃあ!?」


 いつの間にこんなに大量の能力を手に入れていたのかさっぱり分からない、考えられるとすれば……。


(もしかして大量のスライムを食べてきたから?)


 多分間違い無いだろう、しかしよく見ると最後の【体液媚薬化】は文句無しの犯罪助長能力と言えた。


「これって無理やり襲っても、途中から和姦に持ち込める可能性大じゃね?」


 流石にこれを使う事は無いと思うが、これだけの能力を手に入れていてこのままにしておくのは勿体無い。

 始は住み慣れたモンドール村を出て、大きな町に移住する事を決断した。




「……そんな訳で俺はこの村を出て、町に移り住もうと思います」


 翌日から1週間掛けて始は村の各家に挨拶して回り、村の周囲のスライムを食べ歩いた。

 村人達も本来自分達で畑を守る筈が始に任せきりにしていた事を心の中で恥じていたのか、町への移住を止めようとする者は居なかった。


「ハンス、ガキが産まれてもスライムを食べさせようとするなよ」


「アホか! スライムを喰える奴なんてお前しか居ないわ!?」


 軽口を叩きながら村で1番仲の良かった奴との別れを済ませると、ハンスの奥さんの大きく膨らんだお腹を優しく撫でながら話しかけた。


「出来れば産まれるまで村に残っても良かったんだが、そうすると何時まで経っても村を出る事が出来なくなりそうなんでな。 ハンスと奥さんの言いつけを守って元気に育つんだぞ、じゃあな!」


「ハジメさんもどうかお元気で」


 ハンス夫婦に見送られながら村を後にした始は、ここから東に歩いて4日程の場所に在るルピナスの町を目指した。

 山間を流れる清流の水を飲み、道中で現れるスライムを食料として食べる。

 この時の始はまだ、サブ職業の怪物喰い(モンスターイーター)の意味に全く気付いていなかった。


 歩き始めてから3日目、始は1人の女性が道端で倒れているのを発見した。

 命に別状は無いみたいだったがとりあえず近くの木陰まで連れて行くと、水で塗らした布を額に当て声を掛けてみた。


「おい、しっかりしろ。 大丈夫か?」


 女性は息をしているが意識が戻る様子が無い、もしも熱中症だとするならば急いで水分を補給させないといけない!

 始は迷った末に口に含んだ水を、口移しで女性に少しずつ飲ませ始めた。

 時間を掛けてコップ数杯分の水を飲んだ女性は、それから30分ほど経ってようやく意識が回復した。


「……あっ、ここは?」


「ようやく気付きましたね、どうやら軽い熱中症に掛かったみたいですぐそこで倒れていたのですよ」


 微笑みながら事情を説明する始、しかし女性はどこか上の空で身体をモジモジとさせていた。


「どうされました?まだ、どこか身体の具合でも……って、うわ!?」


 急に女性は始に抱きつくと、唇を重ねながら喋りだした。


「先程から身体が火照って仕方ありません、どうかこの私の身体の疼きを鎮めて頂けませんか?」


 人命救助の為だったとはいえ、女性は【体液媚薬化】の所為ですっかり発情していた。

 始は仕方なく人目に付かない場所まで移動すると、男の責任として女性の身体を鎮めてあげる事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ