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囚われた者達の破壊と創造  作者: 無限ミキサー
1/10

No 1111 1111 蠎冗ォ?


 満月の夜。月の光が静かに周りを照らしている。とあるオフィスビルの屋上。とある青年が一人。靴を脱いできれいに並べ、屋上のフェンスを越えて、下に飛び降りようとしていた。


 青年はふと下を見つめる。帰宅途中のサラリーマンや女子高生。スマホをいじくる青年。いろんな人の頭が豆粒のように小さく、路上を歩いてる。

 

 青年は虚ろな目で下を眺めていた。そして急に、何の前触れもなしに手すりから手を放した。


 ゴオォォォォォ!!


 青年の体が何重にも張った空気の壁を突き破り、耳に轟音が鳴り響く。まるでジェットコースターに乗った時のような感覚。


 ジェットコースター…遊園地に行ったときの思い出が蘇る。俺はジェットコースターに乗って、絶叫を楽しんで、ジェットコースターから降りた時の母の顔を思い出す。


 隣には父がいて


 「どうだった?」


 と様子を聞いて来た。


 まだ小さい妹は母のそばを離れずにジッとジェットコースターを眺めていた。


 その後みんなでレストランで食事をしたんだ。俺は大好きなハンバーグを注文して、父は奮発してステーキを食べていた。母は妹にスパゲッティを食べさせてあげて、妹は口の周りをスパゲッティで汚しながらおいしそうに食べてた。


 家族の笑顔を思い出す。


 ゴオォォォォォ!!


 空気の壁を割る速度が速くなる。音はダンダン大きくなり、地面が俺に向かって迫ってくる。


 死にたくない。


 その時唐突にそう思った。涙が出た。でももう遅い。


 地面がドンドン近く…なっ…き…t…



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…がつ…たら病院にいた。


 死ねなかったのだ。


 目を覚ましたことに気づいた母が泣きながら、自分の息子の名前を叫びながら、抱き着いてくる。


 苦しい。


 母の無償の愛が苦しい。放っといてほしかった。惨めな自分に何か費やしたり助けたり、希望、温かみを与えてくれるのが苦しかった。


 母は生きていていいんだ。と言い聞かせたいような気がした。でも俺はその母の行為に死にたくなった。


 俺には未来がない。何もできない。何もしない。ただ母の資産や人生を食いつぶすだけ。そんな人間なのに


 なんでこんなにも泣いてくれるのだろうか?


 苦しい。助けてくれ。


 神様…。もし神様がいるなら俺に力を与えてくれ…自分に満足できないんだ。


 なにか。なにか力を… ち…らを…あたえt… かw…tい…



 Delete



 …れはどうすればいいんだろうk… 考えてもか…eてm…



 Delete


 Delete

 Delete

 Delete…


 ALL Delete



再構築中……   再構築完了。

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