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食べものエッセイ

ラーメン屋でラーメンを食べない人

作者: 矢田こうじ

 それは私だ。


 昔から私はそれなりにラーメン屋に入る。

 子供の頃も、よくラーメン屋に連れてってもらったものだ。

 しかし、体が大きくなればなるほど、私は麺を選ばなくなっていったのだった。


 大学生の頃は、2日に1回は、行きつけのラーメン屋に入っていた。それはもう常連さんだったと思う。

 しかし、そこで食べるのは主に野菜炒め定食。味噌野菜炒め定食、中華丼、そしてチャーハン。

 まあ、思い返せば侘しい男子学生の食生活。

 コンビニ弁当の申し訳程度の野菜より、十分野菜が採れたのだから、その選択は間違ってはいないと思う。


 社会人になり、お金も少し使えるようになって、行動範囲が広がった。そんな時、テレビでも雑誌でもラーメンの特集ばかりだった時期があったように思う。


 私も思いっきり影響を受け、行こうと決意する。

 そして近所に紹介された店があれば早速出向き、メニューを見て悩んだ挙句、チャーハンを頼む。

 ああ、この頃からか、角煮にもハマり始め、トンポーハンという角煮が乗った丼物もかなり好んで食べていた。

 そして私はラーメン屋で、定番とも言える餃子もあんまり食べない。

 とにかく普通嫌いの定番嫌いというわけではない。

たとえばマクドナルドに行けば、ハンバーガーとか、ビッグマックとかはかなりの頻度で選ぶ。


 そして一緒に行く人達によく言われる。

「お前さ、ラーメン屋に来てラーメン食べないってどういう事?」と。

 じゃあさ、イタリアン行って中華丼頼めるのか、と言いたい。

 大戸屋にチャーハンあるのか、と?

 ココイチに野菜炒めはあるのか、と?


 そう言いながらも少し反省をして、一時期はなるべくラーメンを食べるように心がけた。

 なるべく食べるように、と言うのもお店の人に失礼な話だけど。


 そして、気がつけば、何故かつけ麺ばかり食べている自分がいた。

 今は知らないが、出てくるつけ麺は、魚介系、鰹節粉入りばかりで、結局食べなくなった。うまいと思ったのは初めだけで、どこも味が似すぎなんだよね。

 それでもと、つけ麺の有名なお店に並んだりもしたが、今その味を覚えているわけではない。


 そこである日、私は結論づけた。

 私はラーメンが好きではないのだ、と。

 前述のつけ麺の今のトレンドも、知らないんだから、当たり前か。


 でも、当時は自分の中で結構ショックだった。

 ラーメン屋に行くのは好きだし、それでもラーメンは嫌いじゃないから。

 しかし実際店に入れば、何故かラーメンは選ばない。ラーメンしかないお店ならもちろん食べる。


 何故こんな事を書いているかというと、先日仕事で2日連続でラーメン屋に入った時に、思わず1日目はホイコーロー定食、2日目は酢豚定食を頼んでしまったから。


 流石に一緒に食べたやつに怒られた。

 かれこれ昔から俺たちと何回も行っていて、しかもお前が行きたいと言っても、お前がラーメンを食べないのはどう言うつもりだ、と。


 確かにその通りだ。

 少し悪いな、と思う。


 何が書きたいかと言うと、それでも私はラーメン屋にこれからも行くのだろうということ。

 きっと、同じような事を思いながら、周りに気を使ってラーメン食べてる人も多いんじゃないかな。でも、遠慮せず、天津飯でも、黒チャーハンでも頼めばいいと思う。


 そしてラーメン屋でラーメン以外のメニューがあるのに、ラーメンしか食べない人に言いたい。

 そういうお店の定食は、割と美味しいってことも。

この場を借りて伝えたいのだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ラーメン屋の野菜炒めとか炒飯上手いですよね。 私は行きつけの中華飯店ではカツ丼を、定食屋では酢豚定食を食べます。 逆にすると今一歩美味しくないんで、相互に教えあうべきだとひそかに思ってます…
[一言] 居酒屋に行って酒を頼まず食べモノばかり食べている私なので、ラーメン屋でラーメンを食べなくても何の問題もないと思うのです。 食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む 良いのです!^^ 後、蕎…
[良い点] エッセイだった!← [一言] すみません。 普段は基本的にケータイの暇つぶし程度なので ランキングに表示される作品をダーっと読んでいるのですが、 今日はエッセイジャンルを上位から読んでいた…
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