透明な濃紺
星のない夜空のような濃紺の
透明な水の中を泳いだら
いつのまにか水嵩が増して
水底は闇に隠れてしまった
ため息のような光の粒が零れて沈んで
やがて息絶えてしまうけれど
水面にはまだ届かなくて
音もなく昇る数珠繋ぎの泡が
漂う私を希薄にしていく
ゆるく水を掻いて底をめざす
つるつると滑らかで
ふるふると柔らかく
まるでたまごみたいな脆さに震える不安が
裸のまま取り残されて泡を吐いた
漣の寄せる水面より
光の死に場所で眠りたい
暗い水底に手を伸ばそう
その表面を割れないようにそっと撫でて
今はまだ