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透明な濃紺

作者: 月白 深夜

星のない夜空のような濃紺の

透明な水の中を泳いだら

いつのまにか水嵩が増して

水底は闇に隠れてしまった


ため息のような光の粒が零れて沈んで

やがて息絶えてしまうけれど

水面にはまだ届かなくて

音もなく昇る数珠繋ぎの泡が

漂う私を希薄にしていく


ゆるく水を掻いて底をめざす

つるつると滑らかで

ふるふると柔らかく

まるでたまごみたいな脆さに震える不安が

裸のまま取り残されて泡を吐いた


漣の寄せる水面より

光の死に場所で眠りたい

暗い水底に手を伸ばそう

その表面を割れないようにそっと撫でて


今はまだ

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― 新着の感想 ―
[一言]  おひさしぶりでございます、葵枝燕でございます。  「透明な濃紺」、読ませていただきました。  真夜中の海に一人で潜っている光景が浮かびました。私は泳げないし潜れないので、テレビとかで見たの…
[良い点] 氷月 さんもダイバーでしょうか? 深い水底はまさにこんな感じですね。 眩い水面から深みを目指すと、すぐに夕暮れのように暗くなります。 一息ごとに色を失う世界。 やがて私の限界に到ったとき、…
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