目覚めたそこは
今、わかっている事はただ一つ。私、シルクはどこかに閉じこめられているということ。幸いにも右手には剣がある。昔から使っていた剣だ。この剣には昔、ガーディアン族である里から込めてもらった祈りが宿っている。なくしてしまったなんてなると里に合わせる顔がない。
「さて、どうやって脱出しようかな」
身体が動かしづらい。まるで何年間も眠っていたようだ。シルクは軽く腕を回して身体を慣らすとドアらしきものに視線をやった。だがそれはドアと言うにはほど遠くて、奇抜な形をしていた。身の回りの研究施設のような場所からするとゲートか何かだろうか。こんな薄暗いところ、早く抜けてしまおう。
「ドアはこの剣で斬れるかな?」
カァァァン!
金属音が響くだけでドアには傷が少しいっただけだった。この剣ではドアは壊せないようだ。次にやることは心の中では決まっていた。
「詠唱。スペル。我が友の魂を宿し剣よ。炎をまといし刃となれ」
これがガーディアン族である里から込められた力である。角に炎をまとうスキル"ヒートホーン"を使える彼はシルクの剣に炎の力を込めたのである。
刀身はほんのり紅くなり熱気を放ち始めた。その熱をまとった剣はいとも簡単にドアを溶かした。そしてシルクは歩き始めた。出口を目指して。日常を取り戻す為に。
ガーディアン族って言っても人に角が生えただけと考えていただくと想像がつくでしょう。