第二話
この作品は、2日に一度ぐらいで更新します。
どれぐらいの時間が経ったのであろうか。
そう思うと同時に私はなぜ意識があるのか疑問に思った。
私は死んだはず、ブラッドウルフの群れに襲われ血肉の塊になっていたはずなのに。
私は自分の体を動かせるか試してみた。
動く、なんの支障もなしに動く、いやむしろ動かしやすくなった気がする。
なぜだ、そう思っていたとき色々な知識が私の頭に流れ込んできた。
激しい痛みが私の脳を襲う。言葉で言い表せない痛みが続く。
何分かたったころ、私は記憶の整理をし状況を確認した。
どうやら私は魔人になったらしい。
魔人とは、ヒト族が魔素の多いいところで強い念を持ちながら死ぬと1日~3日程度で魔人となり復活するとなれるはずだ。
魔人か。昔読んだ文献には多量の魔力を持ち、魔物とは違いほとんどの者が理性を持っている魔族系列と書いてあったな。
だが、さっき頭に流れ込んだ情報と照らし合わせると、この情報は間違っている。
魔人は最初普通の人間よりは強いが、魔族や魔獣にらくらく勝てるわけではない。
魔人になってから魔力を帯びたものを食べ成長してゆくものらしい。
魔力を帯びたものなら、ヒト族、魔族、魔獣、さらに、鉱物、植物、何でもいいらしい。
どうしたものか。魔人は事情を隠して普通の人々と暮らしていけなくもないだろう。
だが、私には使命がある。私のマリアがあの男のことを本当に好きかどうかを確かめなければ。
よし、まずはこの森を出なければならない。
しかし困ったな、ブラッドウルフから逃げてるときに出口が分からなくなってしまった。
…!。思いついた、私の今の種族はヒト族ではなく魔族なのだ。魔人の目であれば遠くを見渡せるだろう、それに跳躍力も上がっているはずだ。
私はそう考え、枝が生い茂っていない場所に移動し、力をいれ跳躍した。
グーンと体が伸び、気づいたらかなり上に来ていた。私は木よりも高く飛んでいたため、木に着地しようとせずに跳躍したところに戻り、今度は先ほどよりも少し軽めに跳躍した。
今度はしっかりと適切な位置に飛べて目標としていた木にしっかりと着地できた。
見慣れない高さの景色にわずかながらの感動を覚えつつ、本らいの目的のためにあたりを見回す。
逃げたといってもすぐに転んでしまったためか、案外近くに村が見つかった。
すこし怖い気持ちもあるが、真相を確かめるためにもすぐに向かうことにする。
…俺のただの妄想であればいいが。