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笑い声  作者: もんた
5/6

ピー

義樹はあてもなく街を歩いていたが、

暇だなぁー、オイ。なんか面白い事でも起きないかなぁ。

と、心の中でグチをこぼしていた。勉強をしようとしないところから、彼が真面目でないことがわかる。

一人しりとりでもするか。しりとり……リトマス紙……新聞紙……色紙……獅子……「し」ばっかだな。やめるか……

やっぱり勉強をする気は無いらしい。

ん?あれは確かクラスの……そうだ、田中と鈴木だ。

義樹はコンビニで立ち読みしている二人のもとへ歩いて行った。


「お前ら、何してんの?」

「うわぉい」

田中の方が、大袈裟に驚く。

「急に話かけるなよ」

そう言った鈴木は妙にそわそわしている。

「で、何してんの?お前ら確か塾だろ?」

「もう、塾は終わってその帰りだ。なぁ田中?」

「そうだとも鈴木。俺達は決して、サボりではないぞ」

「真面目なんだな。でもその本……」

田中と鈴木の手には、成人向けの雑誌があった。

「ここここれは、決してこういう事に興味がある訳じゃないぞ。なぁ鈴木」

「そうだとも田中。俺らはただ、勉強のためにこの『巨乳女教師の放課後授業』を読んでいる訳じゃないぞ。なぁ田中」

「そうだとも鈴木。あくまでも勉強だ。そういう斉藤君は勉強しないのか?」

田中が義樹に聞いてくる。知っていると思うが、義樹は勉強をまったくしない奴だ。

「うるせぇな。ところでそれって、何の勉強?」

「ピーだよ」


―――――このピー音は自主規制です―――――


田中が即答する。

「ピーって何だよ」

「ピーも知らないのかい?」

やれやれといった様子で鈴木は肩をすくめた。

「いやいや、お前らただ放送禁止用語言っただけじゃん」

「しょうがない、そんな君の為に僕がピーについて、教えてあげるよ」

「別にいいから……って聞けよ鈴木」

鈴木は構わず説明を続ける。

「ピーというのはピーでピーをピーにする事なんだ。なぁ田中」

「そうだとも鈴木。そもそもピーは、十九世紀のフランスでピーベルト・ピー伯爵が使用人とピーする事を目的に考案され、その後ピーは多様な変化を遂げて現在のピーに……


―――――義樹、立ち読み中―――――


「そうだとも田中。しかし現代のピーではピーが不足した事により、ピーで無くなってきている傾向もあり、ピーでは無くピーにしたらどうだ?という案も出されているが、ピーはあくまでもピーであるからそれをピーにするなん……


―――――義樹、お会計中―――――


「そうだとも鈴木。だから最近では、ピーでピーをピーする事でピーからピーをピーして、尚且つピーのピーを保てる事からピーのピーはピーにピーする事が重要視され、ピーはピーにピーする事がピーの為にもピーである事が……

「ピーピーうるせぇ!」

田中に義樹のドロップキックが炸裂した。

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