第1章
これは、再び赤ちゃんに戻らなければならなかった無敵の男について語るライトノベルです。赤ちゃんの頃、彼はまだ力を持っていました。
エリオ・ペンドラゴン：初めての敗北
鷲のように鋭い目と、いつもポニーテールにまとめた漆黒の髪を持つ10歳の少年、エリオ・ペンドラゴンは、ペンドラゴン家の誇りだった。初めて木剣を握って以来、一度も敗北の苦汁を味わったことはない。同年代の子供たちとの決闘でも、はるかに年上の先輩たちとの対戦でも、常にエリオの輝かしい勝利に終わった。「未来の剣士」という称号は彼に与えられ、まるで彼が伝説の剣士であり、スターフォール王国中にその物語が刻まれている曾祖父アーサー・ペンドラゴンの生まれ変わりのようだった。
「はぁ…はぁ…はぁ…」エリオの息が荒く、胸は激しく上下し、ティンタジェル城壁外の草原の静寂を破っていた。汗が額を濡らし、白いシャツを湿らせていた。彼の目の前、青々とした草の中に胡坐をかいて座っていたのは、最も予想外の相手だった。生後2歳で、まだ言葉を紡ぎ始めたばかりの、ふっくらした頬と純粋な丸い目をした幼児、レオンだ。
これまでペンドラゴン家の旗が塔の頂上で翻るように高く舞っていたエリオのプライドは、今、危うかった。敗北？この鼻垂れ小僧に？ありえない！
「もう一回だ！」エリオは叫び、木剣を振り上げた。剣先が震えている。「今度こそ…今度こそお前を倒す！誓うぞ！」
レオンはただ静かにクスクスと笑った。幼い子供のくぐもった笑い声は、エリオの耳には雷鳴のように響いた。「お兄ちゃん、負けちゃった。何回やっても同じだよ。お家帰って、もっと練習しなきゃ！」彼の言葉は率直で、何の迷いもなく、エリオの心を萎縮させると同時に燃え上がらせた。
「お…俺を侮辱するのか！？」エリオの目に怒りの光が走った。これは許されない侮辱だ！最後の力を振り絞り、彼は突進した。木剣は空中で旋回し、完璧な弧を描いた。「食らえ！三日月斬り！これはおじいちゃんの秘技だぞ！お前には…お前には受け止められない、うわあああっ！」エリオは高く跳び上がり、その体は夜空の三日月のように反り、木剣はレオンの小さな心臓に真っ直ぐ向かっていた。風が斬撃に唸りを上げ、まるで自然も息を潜めているかのようだった。
天才幼児レオンは、ただ草の上で少しお尻をずらしただけだった。ほとんど見えないほどの小さな動きだが、エリオの致命的な攻撃をわずかにかわすには十分だった。エリオが着地する前に、レオンの小さな手が素早くエリオの宙に浮いた足首を掴んだ。優しく一瞬の引き寄せ、バランスを崩したエリオの体はたちまちうつ伏せに地面に倒れた。
器用にレオンは、今や無力に横たわるエリオの背中に乗り上げた。ゆっくりと、彼の小さな指がエリオの長い髪の一房を掴み、満足げな笑顔で可愛らしく引っ張った。
「ああっ！ああっ！降参！降参します！」エリオは叫んだ。恥ずかしさで声が喉に詰まった。木剣は彼の握りから離れ、無力に傍らに転がった。これがエリオ・ペンドラゴンにとって初めての敗北だった。完全な、屈辱的な敗北だ。しかも、まだ話すことしかできない幼児の手に！アーサーおじいちゃんの幻が彼の頭上に浮かび、がっかりしたような眼差しで見つめているかのようだった。
「おこづかい、ちょうだい」レオンは、純粋だが要求的な声で言った。「お兄ちゃん、負けちゃったから。」
エリオは震える手でポケットを探り、銅貨を一枚差し出した。「ちくしょうめ！明日…明日こそお前を倒してやる！見てろよ！」返事を待たずに、エリオは一目散に駆け去った。
彼の顔は真っ赤に染まり、途方もない恥ずかしさで燃えていた。誰もこの恥ずべき決闘を見ていなかったとしても、スターフォール王国中が知っているかのように感じられた。
ペンドラゴン家はスターフォール王国の主要な柱であり、常に尊敬の念をもって語られる名前だ。彼らはティンタジェル市の正当な支配者であり、同時に比類なき剣術の伝統を守る者たちだった。代々、すべてのペンドラゴンは剣士の血をもって生まれ、彼らの剣の一振り一振りが歴史を刻んできた。
ペンドラゴン邸自体は壮大な複合施設で、街中の贅沢なオアシスだった。珍しい花々が咲き乱れる広大な庭園、海のように広がる訓練場、そびえ立つ壮大な建築様式の本館、長い競馬場、豊かな果樹園—これらすべてが彼らの栄光の象徴だった。
ペンドラゴン家の堅固な壁の裏側では、剣術の訓練は名誉とされていた。しかし、そこに足を踏み入れることができるのは、貴族や裕福な商人の子供たちだけだった。法外な登録料は隔壁となり、恵まれない子供たちは遠くから眺めることしかできず、剣の音と訓練の咆哮を夢見ることしかできなかった。
エリオは散々な状態で家に帰った。彼が持ち帰ったのは肉体的な傷ではなく、心に開いた傷だった。土と草が服に付着し、髪は乱れていたが、最もひどかったのは彼のプライドの傷だった。
「エリオ、どうしたの、坊や？早くお風呂に入りなさい！」ダイニングルームから母親のエファの声が心配そうに聞こえた。
「後でいいよ、母さん！ちょっと練習してからお風呂に入るから！」エリオは振り返らずに答え、誰もいない訓練場へ直行した。
彼は休むことなく練習した。普段は自信に満ちた木剣の振りは、今では重くぎこちなく感じられた。彼は何度も何度も振り続け、太陽が沈み、星々が暗い空に瞬き始めるまで続けた。夕食は抜き、母親の呼びかけも無視した。彼は暗闇の中で回転し、跳び、斬り続け、まるでその敗北の記憶を体のすべての繊維から消し去ろうとしているかのようだった。
「エリオはどこにいるんだ、エファ？」エリオの父、ネイサン・ペンドラゴンが食卓で尋ねた。彼の表情には滅多に見せない心配の色が表れていた。
「まだ練習しています、ネイサン。止めさせようとしたのですが、聞かないんです」エファは不安そうな声で答えた。「こんなに頑固なのは珍しいわ。」
ネイサンはため息をついた。「ふむ。何かあったな。」
「どうしましょう？また探しに行くべきかしら？」エファは立ち上がって、行こうとした。
「いや、いいから座っていろ。夕食を済ませなさい」ネイサンは妻を落ち着かせた。「私が探しに行こう。」
月明かりだけが照らす訓練場で、ネイサンはエリオを見つけた。少年はまだ木剣を振っており、疲労で体が震えていたが、その目は燃えるような決意に満ちて集中していた。汗が全身を濡らし、地面に滴り落ちていた。
「エリオ、どうしたんだ？」ネイサンは優しく尋ね、息子に近づいた。彼の声のトーンは理解に満ちており、非難する様子はなかった。
エリオは木剣を振るのを止め、父親の声にびくっとした。「もっと強く練習しなきゃいけないんだ、父さん！家族をこれ以上恥じさせないために！」彼の声は震え、怒りと絶望が混じっていた。
ネイサンはエリオの肩に手を置いた。「エリオ、父さんの言うことを聞きなさい。このように無理をしても、進歩はしない。むしろ、後退するだけだ。」
「ほ…本当なの、父さん？」エリオは木剣を下ろし、父親に視線を移し、真実を求めた。
「本当だよ、坊や。体には休息が必要だ。休むことも訓練の一部なんだ」ネイサンは説明した。「筋肉は回復し、より強くなる時間が必要だ。君の心も、よりよく学ぶためには澄んでいる必要がある。」
「そ…そうなんだ…わかったよ、父さん。」エリオは額の汗を拭い、少し安堵した。
「さて、父さんに何があったのか話してごらん？」ネイサンは、夜風のそよ風のように優しい声で促した。
エリオは下を向いた。彼の声はほとんど聞こえなかった。「ぼ…僕…負けたんだ、父さん。」小さなすすり泣きが彼の唇から漏れた。「僕…僕はリベンジする。」父親の返事を待たずに、エリオは駆け去り、これまでこらえていた涙がついに頬を伝い落ちた。強大なペンドラゴンである父の前での恥ずかしさは、敗北そのものよりもはるかに重く感じられた。
ネイサンは、暗闇の中に消えていく息子の背中を見つめるしかなかった。「な…何だと？お前…負けたのか？」彼は信じられないように呟いた。息子が一度も負けたことがないことを知っていた。一体誰がこの若きペンドラゴンを打ち負かしたのだろうか？誰であろうと、この敗北はエリオの心に永遠に刻み込まれ、若き剣士の運命を変えることになるだろう。
注記 :
読んでいただきありがとうございます。コメントをお願いします。この小説についてのあなたの意見を知りたいです。まだ素人で申し訳ないですが、よろしくお願いします。
素人で、小説を書くのも初めてなので、何かアドバイスをいただけると嬉しいです。ありがとうございます。ご多幸をお祈りいたします。
