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 こんな流れが小説の中にあったのだろうか?

 結局、私たち二人はグリフィス公爵領への移動となった。

 王都に隣接する領地。侍女応募者の集合地となった屋敷もあり、アーデンが産まれた場所でもある。

 私が周知している出来事は過酷な環境から生き延びてフロンテ領からタウンハウスへと戻ってくる流れ。

 表面上、アーデンは人として酷い状態で王都に来てしまったため改善していけるように手を尽くしているが貴族生活に馴染めないからと反発してるという状況に見えている。

 ところが裏ではブランディンがこっそりと手を回し、そう見えるよう支配していた。

 そんな状況下の中、何も知らない正義感溢れる太陽姫と出会うのだ。

 逆らっているとされるアーデンに優しく手を差し伸べるマーデリン。

 助言しても対応しないブランディンの目をかいくぐった形でこっそりと手を貸すことに成功する。

 そしてアーデンは見事に貴族教育を身に付け、無事に学園入学を果たすのだ。

 つまり学園入学までは王都にいて秘密裏に教育を受けたはずなのだ。

 なのでタウンハウスからグリフィス領へ移動するということはなかったはず。

 現状でも表面上は小説の流れを組んでいた。なのに何故こうなった?

 もしかして文章上ただ単に省かれていただけで実はこのような流れがあった?

 確かにこれまでグリフィス公爵家の人たちの世界観だけしか知らない。

 でも私自身今まで貴族侍女だったり、町の人だったりの人物たちと関わって接してきた。

 だから小説の中のメインである人たちの動きとは別にその他の人物の動きなんて知るはずもない。

 それは役割のみのモブといわれる登場人物の扱いで名前すらないはずだから。

 この世界にいるということはそういうことなのかもしれない。

 物語の裏側など読んでいないのだから知るはずもないんだ。

 フロンテ領にいる時だってアーデンが閉じ込められた小屋の一部に隙間があるなんて細かく書かれてなかった。

 実際は生き延びるために食料を求めてそこから抜け出せただろうからアーデンは生きてきたんだ。

 私はそんな事情を知らなかったし、目の当たりにした残虐さに身震いして助けてしまったのだから。

 こういった知らない流れがあって当たり前なのかもしれない。

 それに時間がかかったけどマーデリンからの手助けもちゃんとあった。

 いや、元々知らないだけでそういう流れだったのかもしれない。

 小説を知っている私目線で公爵家の様子を見ているから違和感を覚えるだけなんだ、きっと。

 今だってアーデンを貶めようとするブランディン主流のままの状況は変わっていない。

 それに学園入学までの時間もどんな流れを組み取ったのか詳細には描かれてなかった。

 とにかくグリフィス領地にいけばこれからのアーデンの成長具合が判っていく。

 さっきまで巻き込まれたと焦ったけど巻き込まれて当然だったのかもしれない。

 私は今、アーデンの専属侍女として存在しているのだから。

 あれ? でも専属侍女なんてモブとしては距離が近い気がする。

 これも物語の裏側であっているのだろうか?



「おいお前! お前は今日からここの掃除番だ。しっかり働け」


 ガタイのいい屈強な男性が威圧的に言った。ジェフって名乗ってたかな。

 早速グリフィス領に移動となり、アーデンと私は別々に到着した。

 私は一旦家に戻り、住み込みでグリフィス領勤務になったと両親に伝え、その準備したからだ。

 そして着いてすぐさま連れてこられたところは厩舎。

 城のようなお屋敷から少し離れた場所にあるお馬さんの家。

 公爵家の馬車用や乗馬用の馬などのお世話処であるそこへ追いやられてしまったようである。

 侍女とは別の仕事とはここで寝泊まりして朝から晩まで馬の世話をするらしい。

 一応、厩舎横に小さな小屋があってそこにベッドやら生活できるスペースは完備されている。

 決してフロンテ領の時のような状態ではないのは確かだけど。

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