表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/88

メテオストライク 3/17

 完全に日が暮れて、4、5時間がたった頃、静寂に包まれた図書館にコツコツと靴音が響いた。レイがそっと物置の隙間から中を覗くと、ノアともう一人の騎士がランプを手に館内を足速に歩いていった。


 見回りはあっさりしたものだった。すぐに二人の姿は見えなくなり、裏口に鍵の掛けられる音が聞こえた。……あの短時間で、ノアはうまくやったのだろうか? そんな不安を持ちながら、そっと物置から抜け出した。 


 暗い館内ではあったが、月明かりが差し込んでいたので全くの闇ではなかった。チュニックからこぼれ落ちた輝星石のペンダントが、その月明かりに呼応したかのように黄蘗(きはだ)の光を鈍く放った。


 かすかな光を頼りにそろりそろりと歩く。やがて地下へと続く通路の前まで来た。鉄製の頑丈な格子扉に南京錠が取り付けてある。奥は暗くヒヤリとした風が微かに流れている様に感じられた。


 南京錠を手に取りゆっくりと動かす。鍵が外れズシリと南京錠の重みが手に伝わる。レイは静かに扉を開け、体を滑り込ませた。肩がけの小さなカバンからランプを取り出し、火をつけあたりを照らす。廊下の奥はすぐに地下への階段になっていた。レイは慎重に、音を立てぬ様に静かに階段を下りっていった。


 何か分かるだろうか? 結局、何も分からないのではないか? そんな不安と共に、やっと自分の力の真実が分かるのではないかという期待、そして憧れていた魔法使いウィルに会えるかの様な、そんな高揚感を持って階段をおりる。


 下にはまた木製の扉があり、鍵がかかっているんじゃないかと一瞬ヒヤリとしたが、ギィーと軋む音をたてすんなりと開いた。ランプで照らす室内は、思ったより広く、本棚が4列奥まで続いている。古い書物特有の古びたインクの匂いが鼻につく。期待が膨らむとともに、とても朝までに必要な書物を探し、全部読むことはできないと思い、諦めのため息が漏れた。


 片側の壁面には歴史の書、そして隣の本棚には禁術の魔法に関する書物が並んでいた。どの本も異様な雰囲気を纏い禍々しい力を持っている様に感じられる。レイがランプをかざし、その一つ一つを確認して行く。


 不意に、胸元、輝星石のペンダントが瞬いた様に感じた、その時、一冊の書物に目が止まった。


「あった」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ