初の訓練
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昨日と変わらず学校に行き、授業を受けた。
明確に変わった部分と言えば綾霧との訓練が近づくにつれて嫌だという気持ちが湧いてきたところぐらいだが特に何も無く授業を終えて今はHRがあっている。
「…連絡は以上だ。何か連絡のあるやつはいるかー?」
担任の緖原遥先生(以下緖原サン)が聞くが特に誰もないようだ。
「ないな。よし、もう帰っていいぞ!」
緒原サン相変わらずテキトーだな。
何故俺が緖原サンと呼んでるかと言うとみんなもそう呼んでいるからだ。
特に理由などない。
準備を終わらせ俺は制服のまま模擬戦場に行こうとするがやることを思い出して引き返す。
「緖原サン模擬戦借りていいっすか?」
「ん?ああ、早坂か。模擬戦場ね、いいぞ!」
軽いと思いのそこのあなた。
緖原サンはこれが普通なのだ。
気にしたらそこで負けなのだ。
「ん、あと時間は六時までな」
「おっけーっす」
よし、これで問題ないだろう。
そう思い、模擬戦場にいく。
☆☆☆☆☆☆☆☆
模擬戦場で準備運動していると体操服に着替えた綾霧が来た。
ここに来た綾霧は来るなり俺の服装に疑問を抱いてきた。
「な…なんでアンタ制服なのよ…」
「ん?汚れないから」
「まぁ、アンタがいいならいいけど」
俺が制服なのがそんなに変だろうか。
特に気にせずに綾霧に準備運動するように促す。
準備運動を二人して終えるとすぐに俺の方から話題を切り出す。
「さて、俺が教えれるのは皆川流格闘術だけだ」
「皆川流!?」
綾霧はかなり驚いている。
皆川流はかなり大規模な流派だから驚いてるのか?
「あ…アンタ皆川流だったの?」
「ああ、もちろん」
「なにさも当たり前ですよ的なカンジで言ってんのよ!?」
「皆川流がそんなに珍しいか?」
「あったりまえじゃない!皆川流と言えば格闘術をかじった人からすればなんでメインが剣術の流派が格闘術で世界大会一位になるんだよ!って話だからね」
そういえば有栖が出ていたな。
高弟になったから力試しとか言って。
ちなみに高弟とは免許皆伝的な感じだと思っていい。
当日有栖は名前を偽名で出ていたから誰も知らない。
有栖は当時のことを「はしゃいでしまって大人気なく暴れてしまった。黒歴史だ」と言っている。
「アンタが皆川流だったなんて…道理で格闘術が強すぎって思った」
「いや、皆川流は入るの意外と簡単だぞ」
「ううん、いいわ。今はゆっくり出来ないもの」
「ふーん。じゃあ始めるか」
まずは皆川流格闘術の基礎よりも体力測定する必要がある。
その結果を元にトレーニングを組む。
なんならついでに能力トレーニングも組んでおくか。
そのためには綾霧の能力を知らなきゃいけないな……。
「おい、綾霧。お前の能力って何?」
「なんなの急に。そんなの教えるわけないじゃない」
「いや、能力トレーニングもついでにやろうかなと思ってな」
「なるほど。皆川理事長が推薦する人だからいっか。うん、私の能力は身体強化よ。ごく普通の」
おそらく嘘だ。
コイツの本当の能力は別にあり、その本当の能力の中に身体強化できる術があるんだろう。
身体強化は能力の中でもかなり下の方にいる。
何故なら大体の人間が強化の倍率が2~3倍、高くても4倍がせいぜいだからだ。
そんな強化能力だけで戦えるほどこの学校の序列戦は甘くない。
綾霧の倍率がどれだけかは知らないがかなり高いだろう。
かなり盛っても……5倍で序列30位は固いだろう。
その5倍を俺は全然見たことないけどね。
そう思いながら綾霧に倍率を聞く。
「倍率は?」
「……10倍」
「は?」
思考が停止した。
10倍など他人より圧倒的に濃密な15年を過ごしたのに倍率10倍など聞いたこともなかったからだ。
せいぜい5倍が最高だ。
それでもかろうじて思考を取り戻し綾霧にとある行動を促す。
「………10倍ね。じゃあ、一度最大強化してジャンプしてみてくれ」
「わかったわ」
そう言い、綾霧はジャンプで、8mほど飛んだ。
うわマジでか。
ホントに10倍くらいの強化がかかってる。
そう思う。
世界最高レベルの有栖だったとしてもこれだけの身体能力は出せないぞ…。
俺の所属していた組織の黒猫でもいないぞ。
『化け物』その言葉が十分に似合う能力だ。
それに加えておそらくまだ能力を隠してるためヤバい。
「……ヤバ」
「何がよ。アンタの方がヤバいくせに」
「いや、10倍強化は見たことないぞ?」
「アンタや皆川理事長の方が汎用性高いでしょ?」
「俺は兎も角有栖でもここまで強化はできない。その能力はただ殴る蹴るくらいしかできないように見えるがその殴る蹴るが馬鹿にできない威力なら話は別だからな。一対一ならかなり良い方の能力なんじゃないか?」
「…じゃあ早く教えてよ」
「ああ、わかった」
うーん。
どこからにしよう……。
よし、基本の方からするかやっぱり
「じゃあ、今から皆川流格闘術の基本を教えるわ」
「はい!」
「皆川流格闘術の基本は技と技の継ぎ目が綺麗だからすぐに防御か攻撃かを選べることを前提に作ってある。つまり、攻撃と防御の両方を両立できる格闘術だ」
そう、皆川流格闘術は防御と攻撃の両方を高レベルで両立させることが出来る格闘術だ。
故に強く、実践向きなので俺はコレを習得した。
だが、それよりも今することは
「とりあえず、能力使ってこの回りを走り続けて。俺もするから」
「え?なんなのよ、突然」
格闘術の話をしていたのに急に能力使って走れなんて言われたら混乱するに決まってる。
それに対して俺は補足説明をいれる。
「体力を強化する。お前の戦闘スタイルは能力前提で格闘術を使うもの。体力は必須だ」
「…わかったけど、それと能力を使いながら走るって何が関係してるのよ?」
「能力って使えば使うほど精神を消費するって知ってるか?」
「馬鹿にしてる?そんなの基本中の基本じゃない」
「お前、一対一の間ずっと能力を使うんだぞ?『超力』の総量の確認は大事だ」
そう、超能力は何も無いところから生まれる訳では無い。
『超力』と呼ばれるもので能力を使う。
なので能力を使って戦うものは『超力』の使い方を知る必要がある。
俺が今綾霧にさせているのは『超力』を使い切らせる、ことを目標にしたものだ。
『超力』は総量が決まっており、それは余程のことがない限り増えない。
なので使い方を知ることで無駄なく使うことが出来る。
簡単に言うと異世界転生モノに必ずと言ってもいいくらい登場する『魔力』みたいな扱いだな。
我ながらめちゃくちゃいい例えだと思った。
「……わかったわ。けどその前にひとつ聞かせて。なんであなたそんなこと知ってるの?」
痛いところをついてくる。
上手く誤魔化さないとなと思いいい感じに誤魔化す。
「昔、有栖に教えてもらった…」
「ふーん、まあいいわ」
渋々と言った感じで綾霧は走る準備をする。
そして準備が終わったのか俺を待っている。
俺は俺で準備を終わらせ綾霧の隣に行く。
そして綾霧にスタートの合図を出すと同時に50メートル走三秒台のスピードで走った。
アホなのか?
コイツ。
何時間走ると思ってんの?
呆れながらそう思うが俺はそのスピードに汗ひとつかくとなく余裕でついて行く。
☆☆☆☆☆☆☆☆
私、綾霧唯は今驚愕している。
何故なら私の全力に何一つ顔色を変えず、汗ひとつすらかかずについてきている人間がいたからだ。
これでも私は身体強化の倍率が10倍はある。
つまり、早坂海人、コイツは能力を使わずに10倍の身体能力と同等ということになる。
自慢じゃないけど私の素の身体能力は平均男子を上回るどころか男子でも最上位に入っている。
分かりやすく言うと体育の授業で行われる身体測定で男子の基準で十点満点を全ての項目で取れるくらいにはある。
もちろん身体測定は超能力者用のもの、普通の5倍くらいの基準になる。
それをコイツは汗どころか息ひとつすら乱さずこなしているってこと。
控えめに言って化け物。
いくら皆川理事長のお墨付きで皆川流を習っている人間であっても超能力がない限り人間。
一線を超えることは出来ない。
今現在、早坂海人の能力は不明だが身体強化の類では無いはず…。
後で皆川理事長に問い詰めようか。
ま、それよりも今は走り続ける!
☆☆☆☆☆☆☆☆
綾霧唯は死んでいた(比喩)……。




