綾霧唯
ネーム回です。
やってみたかった……前書き
『序列戦』それはこの学校の根幹をなすと言っても過言では無い制度だ。
この学校の全校生徒を縦に並べ、1位、2位、3位…というふうに決める。
一対一で戦い、勝った方が、負けた方の順位より下だった場合負けた方の順位になり、負けた方やそれ以外の人は一つ順位が繰り下がる。
また、勝った方の方が負けた方より順位が高かった場合、順位変動は起きない。
ちなみにこの『超能力者の巣窟』の九つの学校同士でも序列戦はする。
それをコイツはやると言っている。
大体俺はこの学校で唯一の無能力者なのにだ。
正確に言うと少し違うが。
「さっさと答えなさいよ!」
やれ、理不尽だ。
「大体、俺は無能力者だよ?なのに俺を序列戦の相手に指名するって言うのか?」
「いや、あなたは絶対に能力を持っている。」
「なぜそう思う?」
「教えるわけないじゃない」
不思議だな。俺はここでは無能力者のはずだ。
あの理事長の権力で無理矢理信じさせたのに。
「まあ、断る。」
「なんでよ!?」
「いや、だって俺無能力者だし。」
「いや、あんたは能力を持っている。」
はー、めんどくさ。
「うん?海人が女の子と話しているだと!?」
その声に対して反応するのは俺と話している女の子だけだった。
なぜなら俺はその声の主を知っているからだ。
ソイツを使ってここから離れるための言い訳作りを始める。
そして思いついたことが。
「…おい。達也、ちょっとトイレに付き合えよ。」
そう、とてもシンプルでオーソドックスな『トイレについてきて』だ。
俺は急に声をかけてきた男子生徒、橋本達也にそう言い放つ。
「え?ちょっと嫌っ……分かったよ」
「ああ。それとそこのヤツ、序列戦は断るからな。…ってかそもそもお前誰だよ!?」
俺は誰と話していた?
そもそも俺に話しかけてきたやつは誰なんだ?
「ああ、その人は綾霧唯。序列35位の1年生。」
達也が説明してくれた。
綾霧唯…か。
どこかで聞いたような…。
まあいいか。
それにしても一年生で序列30位台は凄い。
「まあどっちにしろさっき言ったように序列戦は拒否するからな。行くぞ、達也。」
「え?…ああ、うん。」
そう言って教室を出る。
嫌な予感がするな。
☆☆☆☆☆☆☆☆
俺は達也と廊下を歩く。
「海人出るの?序列戦に。」
「いやいや、出るわけないだろ?」
達也の言葉を即座に否定する。
俺は序列戦には出ない。
何故なら俺が出てはいけないからだ。
アレは、序列戦は俺たちのようなものが出たらスポーツでは無くなるからな。
ま、断ったしあいつが付いてくることもないだろうn……。
「ちょっと待ったァァァァァ!!!」
よく見ると綾霧が俺たちを走って追いかけてきた。
それを見て思わず。
「…おい達也。なんであいつきてんの?」
「分かるわけないだろ!?」
まあ、そりゃそうだな。
そんなやり取りをしているうちに綾霧は俺たちの前まで来た。
「なんだよ綾霧。まだ用があるのか?」
「アリアリに決まってんでしょ!?あたしと序列戦に出て戦いなさい!拒否権はないわ。」
やれ理不尽だ。
どうしたもんだか。
まあ、とりあえず
「もうそろそろ授業が始まるからまた後でな。」
そう綾霧に告げ、俺は教室に達也と向かっていった。
へたくそです。
指摘お願いします。