閑話1 そろそろ教えてもらおうか
また閑話は投稿するかもしれません
「さて、海人。そろそろ教えてもらおうか」
俺は縄で縛られ、理事長室にいた。
なんでこんなことになった?
まず、思い出してみよう。
「ねぇ海人?」
「ん?」
「ちょっと付き合ってよ」
「ああ。いいぞ」
俺は本を読みながら二つ返事で答える。が本を綾霧に取られた。
「な……なんてことをするんだ」
「海人が話を聞かないからでしょ?」
「理不尽だ」
まじで最悪。俺のノー〇ーム・ノー〇イフが……。
今は3巻だったのに……。
「で? どこに行くんだ?」
「理事長室。緊張しちゃって……」
「そういう事か。いいぞ」
「ありがとう」
そうして俺たちは理事長室に着いたが綾霧は立ち止まった。
やがてこう言った。
「忘れ物しちゃった。待ってて」
との事らしい。
……なぜらしいかと言うとノ〇〇ラのショックにより立ち直れていなかったからだ。
話が全く入ってこなかった。
少し待っていると後ろから衝撃を感じた。
その頃にはもう俺は縛られていた。
「ふむ。なぜ俺は縛られているんだ?」
「海人の秘密を知るため」
「秘密?」
「うん。海人の能力が知りたい」
コイツ……可愛く頼めば俺が聞いてくれると思ったのか?
全くもってその通りだ。
「いいだろう。しかし条件がある。綾霧の能力を先に教えてくれたらいいだろう」
「いいよ」
「まさかの即答!?」
思わずつっこむ。普通は拒否るよね?
「別に教えてくれるならね」
「ああいいぞ」
「じゃあ……私の能力は………………………」
ため長いな。
「………………………………」
「ため長ぇな」
「………………………………」
いつまで続くの?
そう思っていると。
「……『機能を強化する』能力よ」
「機能の強化?」
「そう。例えば思考という機能を強化することによって思考のスピードを加速させる技能、《思考加速》も使える。ちなみに倍率はMAX100倍よ」
「なるほど便利だな」
しかし、度が過ぎた強化は体に毒になるようにこいつも同じみたいだな。
あそこで10倍と言ったあたり。
「さて、次はあなたの番よ、海人!」
「フッ。お前が言えばと俺も言うと言ったな。あれは嘘だ」
「殺す」
「やれるものならやってみたまえ」
殺意に満ちた綾霧の攻撃を避けながら、ああこういう日常もいいなと思った。
「クソっ! なんで当たんないのよ!?」
綾霧の悲痛の叫びが木霊した。