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世界最強の学園生活  作者: 海ゅ
13/17

〈解制〉と事後処理


 「お前……どうして?」

 「どうしても何も海人は私と戦ってもらわなきゃ行けないからよ」


 そんな理由で助けに来るのか……?

 だがまぁ、綾霧のおかげで回復出来たのは確かだ。

 多分コイツはたまたまだろうが。


 「綾霧唯!早坂海人!貴方達は絶対に殺してあげますよ!」

 「綾霧、水晶を壊して逃げろ」

 「なんでよ?私は足でまといってこと?」

 「今からここは俺以外死ぬぞ」

 「わ……わかったわ」


 俺の気迫が伝わったのかそれ以上聞くことも無く綾霧は水晶を壊して転移した。


 綾霧が転移したことを確認し俺は力を貯めるために少し時間を稼ごうとスパイに話しかける。


 「ちなみにお前、〈制解(せいかい)〉って知ってるか?」

 「バカにしないで欲しいですね。〈制解〉と言えば裏社会でも表社会でも有名ですよ。最強の能力者として」

 「そうだ。ちなみに最強能力者の先代は〈運命〉。その能力はサイコキネシスだった。だが、彼女を超える能力者が現れた今、先代は最強の座を降りた。そして最強の座は一人の少年が引き継いだ」

 「ま……まさか……そんな……有り得るはずがない! 世界最強の能力者たる〈制解〉が……こんなところにいるはずがない!」

 「残念ながら事実だ。そして特別に当代〈制解〉の力を見せてやる」


 俺は虚空に手を伸ばし呼ぶ。


 「こい」


 言うと同時、虚空に伸ばした手に氷の剣が顕現する。

 俺はソレを握り、左下から右上に切り上げ、言葉を漏らす。


 「氷制剣戟(アイシクルブレイズ)


 そしてスパイは気絶した。

 しかし、そのスパイには傷ひとつなかった。


 俺は手にある氷の剣を放すとパリン、と音を立てて砕け散った。


 しばらくすると綾霧がその金髪を揺らしながら水晶室から走って俺のところまでやってきて聞く。


 そうです。綾霧の容姿には触れてこなかったが金髪ツインテールとかいう創作物(ソレ)の王道中の王道だ!

 しかも意外と顔も可愛い。ただしコイツはイイ性格してる。

 故にコイツを可愛いと思いたくなくてビジュアルには触れてこなかった。

 だか、あえてここで触れる。

 ちなみに俺は平均的な男子高校生くらい。顔も平凡。


 「大丈夫!?それと……お、終わったの?」

 「ああ、終わった」


 それに答えると綾霧は地面に座り込んだ。


 「どうした?」

 「緊張が解けて……」


 なるほど。昔俺にもあったものだ。

 死線を乗り越えると緊張が解けて立つことも出来なくなる。

 だが、終わったのだ。

 それくらいはいいだろう。


 その直後。


 「大丈夫か!?」


 生徒と先生がぞろぞろとやってくる。

 生徒は恐らく生徒会執行部と風紀委員だろう。


 生徒たちに見られないように急いで二段階、一段階、零段階と段階を、落としていく。

 それに呼応するように俺の髪も白から黒に戻った。


 生徒と先生は問答無用で入ってくる。

 絶対面倒臭いはこれ。

 そう思っていたが思いがけない奴がいた。

 そこには赤い髪を揺らしている一人の美人と言うべき人がたっていた。


 「あー、あ、そこの奴は私が貰っていく。いいな?」

 「「「皆川理事長!?」」」


 みんなが驚く。


 理事長が直々に来たからだ。

 俺に言わしてみれば何故参戦しなかったと言いたいところだけどな。


 「そこに倒れている者ですか?」

 「ああ。ソイツはこちらで引き取るぞ」

 「分かりました」

 「それと早坂も借りていくぞ」

 「分かりました」


 有栖にそう答えた先生は俺の方を向き、面倒臭いことを言い放った。


 「後で事情聴取があるからね」

 「……分かりました」


 とだけ答えておいた。

 そして有栖は俺のところに来て


 「いくぞ」


 そう言い、歩いていく。


☆☆☆☆☆☆☆☆


 海人が有栖ついて行く姿を見ていた者がいた。

 その人物は海人を見ながらこう言う。


 「フフッ。なんや、面白そうなのがおるみたいやな。ま、せいぜい楽しみにしとこか」


 そしてその人物は模擬戦場を立ち去る。


 奇しくも海人が目をつけられたのは生徒会執行部の葛先波(くずさきなみ)だった。


☆☆☆☆☆☆☆☆


 俺が有栖に連れられたところは皆川学園の理事長室だった。

 そこに着くや否や有栖は俺に座るように促してきたので、それに従い座る。

 その対面に有栖が座る形になると彼女は言葉を放った。


 「さて、お疲れだな海人」

 「そうだな。いきなりだが、まずは情報交換からか?」

 「そうして欲しいな」

 「わかった」


 そう言い、俺は色々と話す。


 スパイのこと、能力、『世界』の涙と『神の雫』のこと、二段階を使ってしまったことと”氷制剣戟”を使ったことなどなど。


 すると、有栖は俺を問いただしてきた。


 「ん? お前二段階使ったのか?」

 「ま、まて。仕方がないんだ。『神の雫』が強すぎたせいなんだ」

 「……具体的にはどういう効果だ?」

 「本質は『世界』の涙と余り変わらないが効果は永続っぽかったが時間が長くなっただけかもしれない。そして『世界』の涙のデメリットの意識喪失がなかった」

 「それはどうも……ヤバいな」

 「ああ。俺の一段階でも”無刀”を使っても倒せなかった」

 「お前でもそのレベルか……」


 有栖は何やら考え事をしている。

 そして俺にとっては最悪、有栖にとってはやるべき事を言った。


 「『猫』を使うか……」

 「やめろ」

 「フフッ。あえて言おう。断ると」

 「死ね」

 「フハハハハハ!」


 有栖はご機嫌そうだ。

 『猫』とは黒猫と呼ばれる組織のことだ。

 主に『世界』の涙と超反社のことについて働いている。メンバーは8人のみだ。

 

 何故こんなに詳しいのかって? 俺も前所属していたからだ。

 つい2ヶ月前くらいまでは仕事をしていたからな。


 それよりも達也のことが心配だったので有栖に聞く。


 「達也はどうしたんだ?」

 「あぁ、今は医務室にいるよ。三日間程まともな食事をしていなかったからな。今は安静にしているはずだ」

 「そうか……」


 俺は言葉には出さないものの内心はかなり安堵していた。

 アイツは俺が学園に来て初めて出来た友人だったからだ。

 俺はかなり不安だったが無事でよかった。


 俺は時計を見る。現在は午後3時30分を指していた。そろそろ先生や生徒会による事情聴取が始まるので有栖にそのことを伝える。


 「有栖」

 「ん?」

 「そろそろ先生と生徒会による事情聴取が始まるから行っていいか?」

 「そうだな。だが、能力はどうする? バレたぞ?」

 「それに関してだが……能力持ちだったことにする」

 「ほう。面白そうだな。肝心の能力はどうするんだ?」

 「聞いて驚け。その能力とは……『一定威力以上の能力を無効化する能力』だ!」

 「面白そうだな」

 「だろ?」


 能力の話の調整を有栖としてから理事長室を後にする。


 「さて、これからどんなことが起きるのやら」


 俺はそんな予感がした時にはもうその言葉を漏らしていたのだった。


一応コレで簡潔になります。続きが気になるなら書きますので感想に書いていただけたらなと思います。見てくれた方はありがとうございます!

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