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59話 試験開始!

――ガシャン


 この前、パフボールラビットを手名付けた部屋より強固な作りの部屋だ。

 ベタウルフ……グートのペットより小さな狼だし大丈夫だと信じたいけど……。


「では試験を開始する!」


 目の前のゲートが開かれ、ベタウルフが姿を現した。


――グルルル……。


 その姿に可愛らしさは一切ない。ただ狂暴な狼である。


(怖い……)


「グォォォォ!!」


 怖い……そう思ってしまった時点で支配下に置く事は難しい。

 もう、戦うしか無いのだ。


「ガァァ!」


 狼は真っ直ぐにみなもに飛び掛かった。

 それは何とか回避するが……いつまで回避できるか分からない。


(たこやきの耐性もない今……当たったら本当にしんじゃう……!)


 みなもは出来るだけ距離を取り、回避に専念した。

 幸い、目はマゴちゃん等との戦闘を経て、少し速さに慣れている。


 しかし、続けて襲い掛かる狼に、みなもは成す術がなかった。


「はぁ……はぁ……」


「大けがする前にギブアップはするんだぞ! いつでも鎖は発射できるからな!」


 流石に試験官も心配になってきたようだ。

 スピーカーから声が聞こえてくる。

 どうやら部屋の四方にある砲台のようなものは鎖を発射する装置のようだ。


「鎖……」


「がるる……」


 狼は再びみなもに狙いを定めている。

 避ける体力はもう無い……本当に死んでしまうかも知れない。

 試験官の手も鎖発射ボタンを一瞬で押せるように待機していた。


――ガァァァ!


「鎖……!」


 その瞬間、みなもの頭に一つの魔法がよぎった。


「……魔王の鎖!」


 みなもは狼に手をかざし呟いた。


 そして……


「ガァァァ!」


 手の平から現れた魔方陣から漆黒の鎖が2本出現し、ベタウルフを拘束した。

 ベタウルフはそのまま力が抜ける様に脱力し、地面に伏せた。


「なんだあの黒い鎖……!? アイスチェーンでもウッドチェーンでもないぞ……!」


「よし! 成功したー! よかった!」


「ごほん……みなもさん。合格です。そのまま来た入り口へ戻ってください」

「合格! やったぁ!」


 そうして無事に無傷で試験終了、再び先生の待つ所へと戻った。


・・・


「早かったですね。どうでした?」

「合格だって! 晴れてブロンズライセンスになるよ!」

「流石ですねみなも様!」

「えへへー」


「みなもさん。ブロンズライセンスが発行出来ましたのでこちらへ」

「はい! じゃぁちょっと手続してくる!」

「いってらっしゃい」


「ブロンズライセンス取得おめでとうございます」

「おお、銅色になった!」


 背景色が銅色になったライセンスは少し高級感が増した気がする。

 あれ、ブロンズって書いている横にプラスのマークがある……。


「ブロンズライセンスはDランクの魔物を飼う資格が増えます」

「ふむふむ」

「ですがみなも様は先ほどの試験の判定により、ブロンズ+のライセンスになります」

「プラス……?」

「ええ。プラスが付与されている場合はD+ランクまでの魔物全般飼う事が認められています」

「ほー!」


 Dランク……大ガラスとかグリーンスネークとかか。さっきのベタウルフもDだったね!

 でも、マグマゴーレムはC+って言ってたよね……まだ違反者だ私……!


「C+の魔物を飼っていいのはいつから?」

「C+は次のシルバーライセンスですね」

「なるほど……早く習得しなくちゃ!」

「いい心構えですね。ですが、シルバーライセンスは本当に大変ですよ? 筆記試験と実技がありますので」

「筆記試験!?」

「ええ。扱う魔物が一気に増えますからね。全ての特徴を頭に入れなければなりません」

「大変そうだ……」

「ええ。頑張ってくださいね!」

「はい!」


 そうして、ライセンス発行窓口を離れた。

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