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38話 突然の冒険

「……おい」


「ん……もう朝?」

「……いい加減におきろっ!」

「うわ!」


 突如、私の身体は宙に浮き回転、そのまますっと布団に座らされた。


「え! 神様?! どうしてうちに……」


 寝ぼけ眼を擦り、前を向くと神様が居たのだ。


「とにかく、外へ出かける準備をしろ」

「そんないきなり……」


 ぶつぶつと言いたいところだが、本当に何か焦っているようなので、さっと身支度を整えた。


「あれ……皆はどこ?」

「能天気な奴だな。その件で来たんだよ」

「え? どゆこと……?」


「シンセとその他が行方不明なんだ」

「ええ!?」


 突拍子もない発言に私は驚くことしか出来なかった。

 行方不明? 皆が? 一体どうなってるの……!


「でも、神様なんだからどこに居るか分かるでしょ……?」

「ああ。探ればすぐにわかる。だが今回は分からないんだ」

「そんな……なら探しようがないじゃない……!」

「いや、探せない……つまり介入できない場所は限られている」

「そうなの?」


 そう言うと神様は大きくため息を吐いた。


「はぁ~。お前はあのエルフから何を学んだんだ? 僕が介入できない場所……つまり異色の扉周辺に居るに違いない」

「あ! 覚えてたもん!」

「黙れ。そんな事は今はどうでも良い。そこでだ! お前、シンセをその辺で探してこい」

「ええ!? そこって危険なんでしょ?」

「そうだね。扉は1段階開いている。少しばかり危険だ」

「そんな……私一人で……そうだ! 神徒だっけ……居るんでしょ? その人達も一緒に!」

「神徒か……言い難いが神徒である二名も捜索に出た後連絡が付かないんだよ」

「えー! それって凄く危険って事なんじゃ……というより扉が1段階とか気になる言葉が色々あるよう!」


(ふん。私も一緒に……か。肝はある程度座っているようだね)


「異色の扉は大きな力を持つ者しか開閉出来ない。力の強さによって開けられる幅が違うんだよ」


 魔王がこの世界を支配しようとしていたその時、異色の扉は6段階……つまり全開に開いていた。

 扉が徐々に開くと、神である僕が介入できる範囲が減るんだ。


 1段階の現状なら魔王城を中心に広範囲に介入できない。

 その介入不可範囲は、3段階でフィール領を飲み込むまで広がり、全開だと中央神国以外に介入できなくなる。


「今は1段階だが、全開まで開いたら魔王が居た時代に元通りだね」

「そんな……! 介入できないってそんなに大変な事なんだね……」

「ゲートが一切使えないから不便になるな。僕も世界を見る事が出来なくなる」

(それよりも……黒色界から高ランクの魔物が沢山こちらへ来るのが問題なんだけどね)


「話している時間が惜しい。そう言う訳でさっさとシンセ探しに行ってこい」

「え! ちょっと! 結局一人で――」


 神様は突然ゲートを開き、私を放り込んだ……。


・・・

・・


「いてて……ここは……何処だろう? ん?」


 何処かは分からないが、ここは、見晴らしのいい平原である。

 私の手に地図が握らされていた。

 早速それを開くと……


「うわ、何この地図! 自分の場所と見ている方向が分かる!」


 まるでスマホで見たMAPの様に、自分の場所が写されており、尚且つそれは動くようになっているのだ。


「神様のアイテムかな? とにかく、目的地ってなってる所へいかないと……」


 見た感じ、数時間歩けば魔王城には着きそうだ。それまで何もなければ良いんだけど……


「まぁ私も魔法を覚えたし大丈夫か……って魔物が居ないと何も使えないじゃん!!」


 そんな事を思いながらも決心し、私は歩を進め始めた。

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