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28話 黒色の詳細

「所でお父さん、たこやきの餌は毎回ここに取りに来ないとダメなの?」

「最初はその予定だったんだけどね……」


 そう言いながらお父さんはたこやきが飛び上がった際に生えてきた花をいくつか採取した。


「上位スライムのたこやきが居て、この花があれば、うちの庭にある温室で育てられるはずだよ」

「温室なんてあるの?」

「ああ、門の横に白い建物があっただろう? ここに来た時、ハーブでも育てようかと思って作ったんだけど……その……続かなくてね」

「飽きちゃって、使われてないって事ね!」

「ま、まぁそう言う事だね……」

「じゃぁいくつか摘んだ方が良いよね! シア、お花摘みしよー!」

「うん-!」


 そうして、青い花をいくつか摘んだ後私達は帰宅する事にした。


・・・


――帰り道のかまいたち地帯


(すっご……先生が言ってたお父さんのシールドの魔力ってこの感じの事か……!)


 帰り道、魔力を感じる事が出来るようになったみなもはひっそりとそのシールドの魔力に驚いていた。


・・・

・・


――翌日

――神の間


「成程……魔力の森の中心にレッドラインウルフか」

「そうなんだ。アラキファはどう思う?」

「異常事態には間違いないね。そもそもレッドラインウルフはゴッズの山奥にしか生息していない。誰かが持ち込んだとしか思えない」


 神様は珍しく真剣な表情でお父さんと話している……。


「シンセ……ちょっとお願いがある。ここの状況を見てきた欲しい」

「ここは……分かったよ。様子を見てこよう、みなも!」

「うん?」

「お父さんまたちょーっと出かけるから、戻ったらガウレスたちにも伝えておいて欲しいんだ」

「わかった! 気を付けてね!」

「うん。ありがとう!」


 そうしてお父さんはゲートを開き、神の間から出かけて行った。


「まったく、面倒な事にならねばいいが」

「あの、神様……」

「うん? まだいたのか。うちへのゲートを開いてやるからすぐに帰れ」

「帰ります! けどちょっと質問が!」

「チッ……なんだ?」

「あのですね……」


 そうして私は自身の魔法色について質問を投げかけた。


「何? 魔王族にしか現れない、魔法色、黒に貴様がなっただと?」

「そうなの……です!」

「貴様の沢山のイケメンを奴隷の様に扱い、侍らせたいという愚欲に反応し黒色になっただけだろう」

「ちょ! そ、そこまで思ってないもん! 私の運命の人は一人で十分だよ!」

「……貴様もシンセの様な事を言うのだな」

「え、お父さんとそんな話はしたことあるの……?」

「ああ、思いっきり酔わせたときにぽろっと言ってくれたぞ」

「へー! 私もそんな恋バナはした事無いや! まぁお父さんとそんな話、普通にしないか……」

「貴様もこの話は知らないのか! ふふ……」


 なんか不気味な笑い方をしているな……神様……。

 ただ、さっきより少し機嫌がよさそうである。


「……そもそも魔王族しかならないと言う認識が間違いだ。誰にだって黒色になる可能性はある」

「え! そうなんだ……」

「ああ。本当に奇跡的な確率だがな。シンセの白色の様にね」

「へー……」

「[支配の黒]……僕が与えた能力が色選別に影響を与えたのは間違いないだろう」

「そうなのね……支配なんてしたいとは思ってないのに……」

「何を言っている? 貴様の[イケメンからちやほやされモテモテになりたい(魔物)]は支配の能力そのものだろう」

「ええ!」

「この能力は[貴様の気持ちは関係ない。私を愛し、愛でろ]と同じ意味だろう。支配欲そのものだ」

「えー! そんなつもりは無かったのに!」

「まったく……よく考えもせずに能力を求めるからだ」


 私の能力は思った以上に……恐ろしい能力の様だ……。


「知りたいのはそれだけか?」

「とりあえず全部聞けたと思う!」

「そうか、じゃぁ帰るが良い」

「そんなに急かさなくても帰りますよー……」


 そう言いながら私は神の間を後にした。

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