27話 私の色は?
「さて、続いてみなも様の適正色を確認して見ましょうか」
「適正色?」
「先ほど赤、青、緑の魔法があると言いましたよね? 基本的にはどれかしか使えないんですが、どれが使えるかは調べなければ分かりません。そこでまたこの魔力の葉が登場します!」
「ほう!」
「葉を見ていてください」
先生はちぎった葉の葉柄部分を咥えながら、息を吐いた。
すると……。
「あれ? 葉の色がもっと緑色になってきた……?」
「ええ。つまり先生は緑色という事なんですよ。ちょっとわかりにくいですね……ガウレスさん!」
「ん?」
「この葉、吹いてください」
「おお、懐かしい。適正色判定か!」
ガウレスはそう言いながら、同じく咥えて息を吹いた。
「おお! 葉が真っ赤に!」
「これならわかりやすいですね。ガウレスさんは赤色が適正です。この様に自分の適正色が葉で分かるのですよ」
「へー! 私もやる!」
早速私も葉を咥えて息を吹いた。
「ん……なんか……黒い?」
「これは……」
先生の顔は驚きを隠せていない。
「先生、これは何色なの……?」
「これは……信じがたいですが黒色です」
「黒色!? 3色のどれかになるんじゃないの?」
「実は3色以外にも特別な2色が存在します。まさかこちらになるとは思いませんでしたので、後で説明するつもりでした」
「特別な2色……」
「一つは[奔放の白]と呼ばれる白色、もう一つは[支配の黒]と呼ばれる黒色……みなも様は後者でしょう」
「この色はそのまま、黒色って事なのね……白色もあるのね」
「白はこの色だよ」
そういってお父さんは真っ白に変色した葉を持ってきた。
「うわー真っ白……え、お父さんは白色なの?」
「そうだね。[奔放の白]、名前の通り自由な色で、赤、青、緑の3色全て使う事が出来るよ」
「3色とも使えるとかずるい! 黒色は何色が使えるの先生!」
「……」
「先生……?」
先生は少し頭を悩ました後……
「みなも様! すいません……黒色魔法は何が使えるか……分からないんです。先生失格ですッ!」
「先生!?」
「黒色の前例を先生は見た事がありません……そもそも、私の認識では……」
先生は何か言いずらそうにしている……。
「一般的に、黒色を発現するのは、魔王族の者のみと言われているんだ。みなもは父さんの子だから魔王族では無いけど……」
お父さんはその後小さな声で囁いた。
「神様から貰った加護とかが影響しているかも知れないね……」
「な、なるほど……」
「みなもちゃんは黒色か! シア様と同じだな!」
「みて! シアも黒色! お姉ちゃんと一緒だよ!」
「シア! 本当だ、お揃いだねー!」
先生は何とも言えない表情をしている。
「みなもちゃん、吾輩のナブートをすぐに手懐けたし、テイマーライセンスも難なく取得していた。魔物の扱いが上手いからのう。黒色も納得じゃ!」
「黒色はそんな感じなの?」
「[支配の黒]と呼ばれるくらいじゃ。魔物や動物を従える能力に特化していると言っても良い。吾輩が黒色の魔王を見てきた限りではだが……」
「へー! 魔王は他の色の魔法は使ってたの?」
「……多分3色の魔法は使えないのう。魔法を見る時はいつも特別な魔法だった。3色に関しては他の側近魔物が使っていた」
「じゃぁ私が3色の魔法を使える可能性は低そうだね……」
「みなも様……」
「でもまぁ、魔物とかに好かれるのが黒色ならそれはそれで良いよね!」
「先生も、黒色魔法について何か分かったらすぐに共有しますね! みなも様」
「うん! よろしくね先生!」
普通の魔法が使えないのは少しだけ残念だけど……
ナブートと仲良くなれたのも、テイマーライセンスを取れたのもこの黒色のおかげって考えたら、
黒色魔法、全然ありだよね! それに黒色は魔王族の魔法……とんでもなく強くなる可能性だってあるかも!
それより、私が何故黒色なのかちょっと気になるから神様には聞いてみよう……。




