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23話 風切りの森へ

「お父さん、なんか……あっちの方黒い雲に覆われているね……」

「見えて来たね。あの下が風切りの森だよ」

「なら、この辺でお昼にしませんか! あっちに入る前に食べてしまった方が良いでしょう!」

「ガウレスの言う通りだね。この辺でご飯にしようか」


「ご飯!」


 シアは飛び起きてきた。


「少しお待ち下され! すぐにご用意しますぞ!」


 ガウレスは背負っていたリュックを地面に置き、てきぱきと準備を始めた。

 もちろん私も手伝おうと思ったが……


(入る隙が一切ない……! 何という手際の良さッ!)


 とか思っている内に準備は終わった。


 大きめのレジャーシートを敷いて、ガウレスが作ったお弁当が並べられた。

 ピクニックみたいだ!


「シア様はこっちを食べてくだされ!」


 そういってガウレスはシアに別の弁当箱を手渡した。


「ガウレスいつも有難う。では頂こうか」

「頂きます!!」


「ガウレスさん、私の分まで有難うございます」

「いえいえ! クリウェさんの口にも合うと良いが……」


 その横で、シアはわくわくした顔で弁当箱を開けた。

 私はそれを覗き込んでいる。


「わぁ可愛いお弁当!」

「おお……」


 ガウレスはシア様にキャラ弁を作っていた。

 パフボールラビットと、その横にはペットのたこやきが居る!


「がっはっは。シア様、美味しそうでしょう!」

「ガウレス……たこやきにこんな目は無いぞ!」

「う……しかしそう言うのが無いとキャラという感じがのう……」

「あはは。たしかに! ちょっと可愛くなり過ぎだねこのたこやき!」


 そんな事を言いながらもシアは目を輝かせ、美味しそうに弁当を頬張った。


 もちろん私もサンドイッチとか揚げ物とかしっかり食べた。

 普通にすごく美味しいんだけど、外で皆で食べるとなおさら美味しいよね!


「たこやき……すまん。もう少しでお前の餌もあるからな」


――ぷるぷる


 シアはたこやきを撫でた。

 プルプルするだけだからよく分からないけど、きっと喜んでいる!


・・・

・・


――風切りの森 入口


「まだ入っていないのにすっごい風だね!」


 さっきまでの穏やかさは一切なく、風が吹き荒れている。

 森に入る前なのにこれって……入ったら一体どうなっちゃうの!?


「よし皆! 私にもう少し近づいて!」


 お父さんがそう言うと、皆は少しずつ寄って行った。


「じゃぁ行くよ。[アブソリュートシールド]」


 すると、お父さんを中心に半円のバリアの様な幕が張られた。

 中央神国を守るバリアに似ているな……。


「素晴らしいです……魔力の帯び方が人を逸脱していますね……! これが神の魔法ですか」


 クリウェさんは両手を挙げて感激している……私は魔力とかあまり感じられないから凄さがあまり分からない……。


「あはは。そんな大げさな物じゃないよ。さぁ行こう!」


 そういって皆で進み始めた。


「凄いね……一切風は感じないし、音もしないんだね」


 森に入る前の時点で、びゅうびゅうと風の音が絶え間なく続き、大声じゃないと話せなかった。

 しかし、このシールドの中はまるで防音の部屋の様に静かで、少し声が反響する。


「そうだね。調整次第で外の状況を完全遮断できるよ!」

「ほえー……」


 平和な道を歩いていた時と変わらないペースで進んでいく。


 シールドにはかまいたちの風がガンガン当たっているが、そのまま消滅している。

 中央神国のシールドもこんな攻撃が飛んできても、音すらせずに国を守るんだろうな。

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