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19話 あっさりと!

――テイマーライセンス試験場


「はぁ? 魔物や動物の調教経験ゼロ……?」

「は……はい」


 試験の受付の方は、私の書いた履歴書のような紙をみながらあきれ顔をしている。


「たまに無料だからって、君みたいな子がいるんだよ……まったく」

「あの、私は試験を受けられるのですか?」

「まぁ来る者は拒まずだからね。時間の無駄だけどな」


(感じの悪い人だな……)


 受付は渋々歩いている。


「ここだよ」

「これが試験会場?」


 四方が木の柵に覆われた、大きめの空間に私は連れてこられた。


「正面のゲートが開くと、1匹の魔物が入ってくる。その魔物を手懐けて抱っこできれば合格だ。制限時間は120分」

「なるほど……実技ってそう言う事なのね」

「正直、怪我する事もあるけど責任は一切負わないからね。出てくる魔物をしっかりと理解できていればできるはずだよ」

「理解……」

「まぁ、経験ゼロの君がどうか知らないけどね。あと、ギブアップの可能だから無理だと思ったらさっさとギブアップしてね」


 そういって受付は横の椅子に座った。だるそうにしているのがなんだが腹立つ……。

 とは言え……知識ゼロの私がいきなり出てきた魔物を手懐ける事なんて出来るのだろうか……。


「ではスタート!」


――ガタン


 スタートの声と同時に正面のゲートが開いた。


「ミー!!」

「あ、あの子! 見た事ある魔物だ!!」

「パフボールラビットは流石に知っているか。その辺で見かけるもんね。でも……」

「ミーッ!」


 パフボールラビットはそのまま勢いよくみなもに向かって飛び出した。


「やっぱ無理か。初動から失敗しているしな……」


 受付が立ち上がり、網をふるおうとした瞬間……。


「ミー♪」

「あはは。可愛いー!」


「……は?」


 パフボールラビットはみなもの膝の上に乗り、頬を擦りつけている。


「あ、抱っこしないとだね! ぎゅー!」

「ミィミィ……」


 パフボールラビットはそのまま気持ちよさそうに眠ってしまった……。


「あ、受付の人? これ合格?」

「あ……ああ。文句なしの合格だよ……」


 呆気に取られていた受付はハッと我に返った。

 眠そうだった顔もすっかり消えている。


 みなもは寝てしまったラビットをゆっくりと地面に置き、柵から出てきた。


「さ! ライセンスカードを頂戴!」

「わかっているよ。すぐに用意します」


 そうして最初に居た場所に戻り、待っていると……。


「お待たせしました。こちらがライセンスカードです」

「おー! これが……でもガウレスと色が違うな……」


 私のカードはホワイトで、ガウレスはゴールドのカードだった。ランクみたいなのがあるのかな?


「ホワイトからゴールドまではこの試験会場で昇給できるから、また昇給する際はこちらへ来てください」

「あ、はーい!」


 そして私は、早々に試験会場を後にした。


「シアー! ガウレスー!」

「お姉ちゃん!」

「おおみなもちゃん、どうだったかの?」

「ふふーん!」


 そういって私はライセンスカードを見せびらかせた。


「おお! 凄いですぞ!! さすがみなもちゃんだ!」

「お姉ちゃん凄い!! それで入れるんだね!」

「そうだよシア! シアの為に頑張ったんだから!」

「有難うお姉ちゃん! 大好き!」


 そういってシアは私に抱きついてきた!

 か……可愛いなオイ!


「じゃぁ早速入ろうか!」


――グー……


 そう言った瞬間、私の腹の虫が鳴った……。


「みなもちゃん、まずはお昼ご飯を食べようか!」

「うん、そうするよ……!」


・・・

・・

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