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15話 楽しいお買い物のはずが……

――商業特区


「ナブート有難う! 帰りもまたよろしくね!」

「キュー!」


 ナブートはそう言って飛び去って行った。

 ナブートに乗ってくると本当に早く着くね……。


「さーて、じゃぁ早速入らなかったお店に……」


 そういって方向転換した瞬間、ある人物と目が合った。

 が……見なかったことにして歩き始めた。


「おい。目が合っただろう。神である僕を無視するとはいい度胸だな」

「ひいい! なんで神様がこんな所に!!」

「おい! 声が大きいぞ。他の奴らにバレると面倒なんだよ。少しは頭を使え」


 深く帽子をかぶっていると思ったらそう言う事だったのね……私はすぐに神様だと分かったけどね……。

 ていうか神様が何で私の前に現れるの! 今から楽しいショッピングなのにぃ!


「す、すいません。じゃぁ私はこれで……」


 そういって神様を通り過ぎようとしたところで見えない力で身体が動かなくなった。


「う……動けない……!」

「お前に用があるからこんなとこにまで降りてきたんだよ。とにかく、ここは人が多い。場所を移すぞ」


 神様にそう言われ、私の身体は硬直しながら少し浮かび、引っ張られていった。


「ふう。ここならいいか」

「か……神様! 私を金縛り? で縛ってこんな人気の無い所で何する気なんですか! まだ心の準備とかが出来てないよ!」

「何言ってるんだ? 消すぞ?」


 神様はそう言いながら私の拘束を解いた。


「あの、何の用でしょうか……」


 私は恐る恐る聞いた。

 さっさと用件を聞いてショッピングに戻るんだ……!」


「ふう、なぁお前……この前……」


 神様は少しだけ顔を赤らめ、言葉を詰まらせている。

 まさか告白……?!


「この前、シンセの好物……たこ焼きって言ったよな?」

「いえ、まずはお友達から……え? たこ焼き?」

「そうだ! お前が言っただろう! シンセはたこ焼きが好きだと!」

「ああ……言いましたね……」

「その……たこ焼きって何なんだ?」


 神様は小声で質問してきた。


「え、神様……たこ焼き知らないんですか?」

「あの時は調べたら分かると思ったが、情報は何も出てこないんだよ」


 それもそうか……たこ焼き何てこの世界に無いんだろうな……。


「ふふ……たこ焼きを知らないとは……神様も……」


 そう言った瞬間、神様は私の口を掴んできた。


「お前……ちょこちょこ僕の事を馬鹿にしているな? お前ひとり、粉々にする位、造作も無いんだぞ?」

「す……すいまひぇん……」


 そう言うと神様は手を放してくれた。


「で、何なんだたこ焼きって!」

「口で説明するのは難しいですね……そうだ! 実際に作ってみますか?」

「お前と僕でか……?」


 神様はかなり不満な顔を見せたが、知るには実際作るしかないと悟ったようで……


「……まぁそうだな。売ってないなら作るしかない。必要な物は言え。すぐに出してやる」

「私もお父さん程詳しくは無いけれど……まずは小麦粉、それと乾燥した小魚、卵も必要だし何よりタコだね! 後は……」


 そうして私は神様に必要な材料を全て伝えていった。

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