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9話 お出掛け

 兵士を見送った後、お父さんは周囲の様子を確認した。

 一緒に住むと言ったが、両親などが居るかもしれない。

 だが、そんな人影は一切見当たらなかった。


 子供はみなもから一切離れようとしない。

 そんな子供の様子を見て、みなもはデレデレしている。


「そういえば! 君、名前は?」


 すると、子どもは小さな声で自分の名前を言った。


「シア=ジース……」


 その名前をきいて、お父さんは少しだけぴくっとしていた気がした。


「さ、ゲートを開くよ」

「はーい!」


 そういって3人は家に帰宅した。


・・・

・・


――夕食時


「シア……小食だね」

「……」


 シアはパンしか食べず、他のおかずには一切手を付けない。

 パン自体も半分くらい食べるだけである。


「みなも、とりあえずみなもの部屋にもう一つベッドを置いたよ。みなもに懐いているみたいだから、一緒に寝てあげて欲しい」

「うんわかった!」

「さ、シア! 私の部屋に行くよ!」

「……うん」


 そうして二人はみなもの部屋へと向かった。

 シンセは一息ついて、紅茶をすすった。


「シア=ジース……高い魔力を感じる。流石は魔王の子と言った所か……」


・・・

・・


――翌朝


「おはようー」

「あ、おはようみなも!」


 お父さんが何やら慌ただしくしている。

 出かける支度をしているようだ。


「みなも、シアはまだ寝てるのかな?」

「うん寝てるよ~」

「そうか……とにかくいきなりで申し訳ないんだけど、エルフ国の王が少しピンチらしくてね。助けに行かないといけなくなったんだ」


 お父さんはまとめた荷物を背負った。


「ええ!? 結局会えなかった国王様だよね?」

「そうだよ。とにかく、食料はあそこにあるから好きに食べて。あとこれも渡しておくよ」


 お父さんはそう言って私にお金の入った巾着袋を渡してきた。


「今日一日は帰れないと思うから……そのお金で街にでも遊びに行っておいで」


 お父さんは私の頭を撫でながら言った。


「うん。お父さん、気を付けてね……」

「ありがとう。じゃぁ行ってくるよ」


 そしてお父さんはゲートを開き、そのまま出かけてしまった。


「おはよう……お姉ちゃん」

「あ、シアおはよう! とりあえずご飯食べよっか」

「うん」


 そうして私とシアはとりあえず朝食を食べた。

 相変わらずパンをちょっとしか食べないなシア……。


・・・


「シア! 街に買い物に行こう!」


 食事を終え、少しだけ休憩した後、私はシアに提案した。


「買い物……?」

「そうだよ! 街に行けば色々な物が売ってるからきっと楽しいよ! シアの食べられる物も売ってるかも」


 シアはあまり乗る気では無かったが、私の言葉を聞いて気が変わったようだ。


「行く……!」

「よし、じゃぁ着替えよっか!」


 そうして二人は出かける支度をした。


「シア、一応この帽子をかぶっておいてね!」


 シアには少し大きいエッジ帽子だが、角が隠れてちょうどいい。念の為、角は隠していた方がよさそうだもんね……。


「じゃぁ行くよー!」

「うん!」


 そうして家を出て、しっかりと舗装された道を歩き始めた。


・・・

・・


――約30分後


「うわー……おっきな街だね~」


 到着したのは中央神国の首都である。

 首都と言っても、この辺りで人が暮らすような所はこの都だけのようだ。

 お父さんは郊外の砦に住んでいるけど……。


「さーて、中央神国の首都、どんな所かな~」


 みなもはガイドブックを取り出して簡単に見始めた。


――中央神国 首都


 ここは、首都全体を包み込むようにドーム状のシールドが展開されている。

 そのシールドのおかげで、国の人は安心して暮らしている。いかなる攻撃にも耐える事が出来ると言う。


 シールドの中心の上部には真っ白な塔が立っている。


 国は綺麗な円形なのだが、大きく分けて3つの区画に分かれている。

 円グラフを均等に3つに分けた様な形で、商業特区・居住特区・管理特区と分かれている。

 商業特区……文字通り武具の購入や食料・雑貨……大体の者がこの特区に行けば揃う。

 居住特区……簡単に言うと住宅街

 管理特区……商業系の仕事以外がここに集まる。オフィス街


 そして、中心である塔の周辺は神徒と呼ばれる神直々の命令を遂行する者しか入れない。


・・・

・・


「よし、商業特区に行こう!」


 そうしてみなもは大きな門から首都へと入った。

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