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ずっとそばにいるから  作者: 夢菜
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川での出来事

意識が飛ぶ、記憶がないときの人の行動ってどうなんでしょうね。精神的なダメージ、トラウマがある人は、結構、いるのではないでしょうか?夢でうなされたり、ちょっとしたときにその時のことを思い出して、嫌な気分になったりするのでしょう。

 浩人が今度の休みにどこかに遊びに行こうと提案した。


 私は自分の事ばかりで家族の団らんを忘れかけていた。


 私は夕飯で4人がいるときに浩人の提案の話をした。


「お父さんがね、4人でどこかに遊びに行こうって言っているんだけど、行きたいところある?」


 私は雄馬と拓馬に話しかけた。


「お母さん、体は大丈夫なの?病気じゃないの?無理しちゃだめだよ?」


 雄馬の言葉に私は涙ぐんだ。


 ”5歳の子供に心配かける母親なんて、だめな親だな。家族で楽しいことたくさんして心配をかけないようにしなきゃいけないね”


 私は反省しながら少し明るい未来が見えてきたなって思っていた。


「お母さんはだいじょうぶだよ。心配してくれてありがとう。どこに行く?キャンプや水遊びでもいいし、テーマパークなんかもいいね」


 私がそう言うと雄馬は表情が明るくなった。


「僕ね、川遊びに行きたいな。そこでご飯食べて、スイカ冷やして食べてみたい」


 雄馬は動画でみていたのか、そんなことを言った。


「じゃあ、川に遊びに行こう。バーベキューが出来る所を探さなきゃな。前の日にスイカと美味しい肉や野菜を買わなきゃな」


 浩人がそう言うと雄馬は大喜びだった。


 この出来事が今後の生活をおびやかすなんて誰も思っていなかった。


「明日は、川に行くから、待ち合わせして買い物しようか」


 私は拓馬をおんぶして、雄馬の手をしっかり繋いで浩人との待ち合わせ場所に行った。


 そこは駅から近い新鮮な肉や野菜が売っている専門店だった。


 ちょっと高いけど、家族の笑顔には変えられないもんね。


 浩人と合流し、専門店に入った。


「雄馬、拓馬、何食べたい?好きなもの選んでいいよ」


 浩人が言うと、拓馬も選びたいようだったので、おんぶからおろした。


 雄馬は拓馬の手を引いて食材選びをしている。


「雄馬もお兄ちゃんになったなぁ?とっても嬉しいよ」


 浩人は子供たちの姿を見てつぶやく。


「そうね、子供たちの成長は目まぐるしいわ。私も嬉しい」


 そうつぶやいたとき、あの事故を思い出した。


 あのとき、早紀が助けてくれなかったら今頃こんな幸せな気持ちになれなかっただろう。


 早紀には感謝してもしきれない。


 落ち着いたら早紀の実家に行ってお線香をあげよう。


 そう思ったとき、拓馬の泣き声がした。


 拓馬が転んで雄馬がそばで心配している。


 浩人が駆け寄って、拓馬を抱っこすると、拓馬は泣き止んだ。


 買い物続行。


 美味しいお肉と野菜、スイカと飲み物を買って家に着いた。


 拓馬は浩人に抱っこされて寝てしまったので布団に寝かせた。


 雄馬は、明日が楽しみなのかこの日は昼寝しなかった。


 昼寝をしなかったせいか雄馬はご飯を食べてお風呂から上がるとすぐに寝てしまった。


 拓馬もパジャマに着替えると布団に入る。


 絵本を読み聞かせするとすぐに眠りについた。


 私も明日を楽しみにしながら薬を飲み、眠った。


 次の日、4人共、早くに起きた。


 前の日に準備は完了していたので、時間もかからず、車に乗り込むことが出来た。


 朝ごはんは、おにぎりを作って持ってきたので車内で食べた。


 川に着き、荷物を降ろし、浩人がテントをたてた。


 川にスイカを入れて冷やす。


 流れないように石でバリケードを作る。


 浩人と私がバーベキューの支度をしているときに、子供たちは水遊びをしていた。


 子供たちが危なくないように目を光らせていた。


 私は幸せを感じながら過ごしていた。


 美味しいお昼ご飯を食べて、ゆっくりしているときに事件は起こった。


 拓馬が滑って転び、川でおぼれかけた。


 私は助けようと川に入った。


 そこで意識は途絶えた。


 気が付いた時には、車の中で拓馬を抱きかかえていた。


「ママ?」


 拓馬が小さな声で私を呼んだ。


「どうしたの?」


 私は拓馬の目を見つめた。


「お母さん、大丈夫?お母さんが拓馬を助けたとき、何かお母さんじゃない感じがしたよ」


 雄馬はそんなことを言った。


 ”助かってよかったね”


 ふと頭の中で声がした。


 久々に頭の中で声を聞いて動揺した。


 ”・・・早紀?早紀なの?また、拓馬を助けてくれたの?”


 ”うん。ずっとそばにいるっていってるでしょ?”


 私はすごく疲れていることに気が付いた。


 朝と洋服が違う事でも私が川に入ったことは一目瞭然だった。


 家に帰ってから浩人に聞くと


「琴音がいきなり川に飛び込むからびっくりしたよ。拓馬はちょっと転んだだけで怪我はなかったよ。いつもの琴音じゃなかったから怖かったよ。琴音もあんな行動するのな」


 私は浩人の言っていることが理解できなかった。


 私の意識はなかったのだから・・・


 

川で拓馬がおぼれたとき、琴音はとっさの行動に出られず、早紀としての人格に変わったのでしょうか?それとも本当に早紀が琴音の体を使って助けたのでしょうか?真相はまだ闇の中です。浩人や雄馬、拓馬の言葉や心理から琴音がいつもと違っていたのは間違いないのでしょうね。

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