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始まり


 私達はいつも一緒だった。それは私達の誇りで、どんなに経っても変わらない四人だけの絆。


「Stars of Destinyの皆さん入られます。」


これは私達が出逢ってから夢を叶えていく話。



「今日から入る夏目 結良です。小学三年です。宜しくお願いします。」


テレビで歌って踊る人たちがカッコ良くて、お父さんとお母さんに習えるようにお願いした。最初はあんまりいい顔をしてなかったけど毎日頼んでたら、ついにこの前「いいよ」って言ってくれた。折角、許可してくれたから絶対に上手くなってみせる。


「じゃあ今日はまずこの前、課題にしてたダンスを一人ずつやってもらおうかな。結良ちゃんは見ててね。」


長谷川 美玲先生がそう言ってからみんなは踊り始めた。みんな上手かったけど、一人だけみんなと比べられないくらいに上手い子がいた。


「よし、皆よく出来てたね。じゃあ今週の課題を始めよう。」


このスクールは毎週課題が出て週の始まりにみんなの前で披露するみたい。

美玲先生が一通り踊ってから私たちに教えてくれたけど、私は全然よくわからなかった。


「結良ちゃんはまだ難しいかもしれないけど、だんだん上手くなれば良いからね。」


みんなが踊ってる時、美玲先生が私の所まで言いに来た。私も言われた通りに同じように踊ってるけどなんか違う気がする。あの子はどんな感じなんだろう?そう思ってあの子の方を見たらもう完璧だった。ただただ、これが天才なのかもしれないそう思った。


「私も負けない。」


気がついたら声に出していたけど、そんなことよりも練習したかった。でも一時間のレッスンはあっという間に終わった。

「来週まで来れない子は自分で練習して下さい。今週中に来れる子はまた練習しましょう。」


美玲先生がそう言うとみんなはそれぞれ、返事をして荷物をまとめて、挨拶をしてレッスン室から出て行った。

でも私はもっと練習がしたかった。だから

「美玲先生、みんなのレッスンが終わってから自主練してもいいですか?」

と聞きに行った。美玲先生は驚きながらも

「結良ちゃん。ダンスは楽しかった?」

と聞いてきた。私は

「とっても楽しかったです。だからもっと練習がしたいです。」

そう答えた。

「親御さんがいいって言ったらいつでも四時半ごろから使っていいよ。」

と美玲先生が言ってくれた。挨拶をして急いで家に帰った。


「ただいま。お母さんこれから毎日行ってもいい?」

台所に居たお母さんに言いに行ったけど何の事かわかっていなかった。

「4時半以降なら練習しに来てもいいんだって。だから行ってもいい?」

何の事か分かったみたい。でも

「宿題をきちんと終わらせて最悪、六時には帰ってくる事。少しでもテストの点数が落ちたら、レッスンの日以外は行っちゃダメよ。」

お母さんは条件をつけてきたけど私は行けるなら何でも良かったから

「わかった。」

と返事を返した。


 次の日から毎日四時半にレッスン室に通った。最初は全然出来なかったけど、少しずつ踊れるようになった。


 通い始めてから一週間、今日は二回目のレッスンそして課題披露の日だ。


「じゃあ先週の課題を一人ずつ披露して下さい。まず結良ちゃんお願いできる?」

「はい。」

私は前に出て必死に一週間練習したダンスを踊った。


踊り終わると美玲先生が笑顔で

「結良ちゃん頑張ったね。」

そう言ってくれて嬉しかった。


その後は順番にみんなが披露していったけど、やっぱりあの子より上手い子はいなかった。


「じゃあ今日は終わりです。ありがとうございました。」

今週の課題を教えてもらって練習していると美玲先生が声をかけ今日のレッスンは終わりになった。


みんながレッスン室を出ていくのを見送ってから練習を再開した。今回の課題も難しい。何とか覚えたフリを思い出しながら必死に踊ってた。すると

「結良ちゃん、よく練習したね。上手くなってたよ。」

「ありがとうございます。」

部屋に美玲先生が入ってきた。

「あのね、スクール生の事を私、ちゃん付けでは呼んでないんだ。でから結良ちゃんのことも結良って呼んでもいい?」

そういえば美玲先生はみんなのことを呼び捨てで呼んでいたなと思って

「わかりました。」

と答えたら、美玲先生は

「ありがと。」

と言ってレッスン室から出て行った。

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