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6.チーム<コンネズ>(2)

◇◇◇◆◇◇◇


 リンネの方を見ると、こちらに向かおうとしているのが見えた。よしっ!


 だが、彼女の手前に、さらにヒョウトが3体、発生する。右に飛びつつ、手前のヒョウトの左足を打つ。よろけたヒョウトはそのままに、向かってきたヒョウトの剣を受け、そのまま押し返す。一瞬、押し返されたことで驚いた表情を見せたものの、すぐに力をかけてくる。パワーでは敵わないので、左斜めに力を逃がしつつ、相手の眉間に頭突きをくらわすと、後ろに尻もちをついた。


 流石だ。のんびり、彼女を待っているわけにはいかない。俺も、手前のヒョウトに切りかかる。

 それにしても、ヒョウトが3体、新たに現れるとは何だ!

 カミヒョウトやヒョウトが、こんな風に現れるなんて聞いたことがない。もちろん、こんなところで負けるつもりはない。だが、このチームを組んでから、この一瞬が一番の危機だ。


◆◇◇◇◇◇◇


 ルキと二人、声を出さず、物音を立てないように、ジッと戦況を見ていた。凄い戦いだ。難なく、ヒョウトを倒すかと思ったけれど、追加でヒョウトが音もたてずに出現した。さらにタチワナの後ろには上位種のカミヒョウトまで。

 助けに出るべきなのか。でも、隣りにはルキがいる。自分が出ていけば、ルキにも危害が及ぶかもしれない。そもそも自分の力で、彼らの助けになれるのか。ルキを守るためにも、ここで彼らの無事を祈るしかないのか。

 でも、助けに戻ってこれそうだったリンネの目前にヒョウトが3体出現し、タチワナも危ういように感じた。身体が動いた。このまま、彼らを見殺しにすることはできない。

「ルキ! 走って街に逃げるんだ」

 そう言って、ヒョウトに向かう、、、つもりだった。


 だが、隠れていて、足がしびれていたせいか、立った瞬間、足がよろける。上に伸びていた枝に手をかけるも、枯れていたせいで、バキバキっという大きな音をたて、斜面を転がっていく。何でこんなに大きな音が出るんだ、と恨みたくなるくらいの音を立てつつ、上位種の左後ろで自分は止まる。

 倒れこんだ自分を、上位種は見下ろす。さらに、リンネの手前に出現したヒョウトですら、自分を振り返っている。流石に、自分の「悪運」スキルを恨みたくなる。いや、恨むのはこれが最後になるかもしれないけど。


◇◇◇◆◇◇◇


 何だ。左の斜面上から、バキバキと大きな音を立てて、男が転がり落ちてきた。ド派手な登場だ。カミヒョウトも俺たちも、みんなそちらに視線が行く。いや、カミヒョウトが後ろを振り向いている今がチャンスだ。振り向いている首の部分に、斜め上から剣を振り下ろす。

 さらに、返す刀で、もう一体に、左から剣をあてる。グサッ、と音を立てて、ヒョウトの身体に突き刺さる。こちらは大丈夫か。

 

 後ろでリンネが向かってくるのを感じる。


◇◆◇◇◇◇◇


 目の前に出現したヒョウト3体が、斜面を転がり落ちてきた男を振り返って見る。私を前に、そんな隙を。眼にかかった前髪を軽く払う。

 3太刀で勝負を決める。正面のヒョウトに大きく太刀を振り下ろす。そして、向かってこようとしていたヒョウトの目に突き刺す。最後に、男の一番近くにいたヒョウトには、後ろから叩き切る。

 ん、転がり落ちてきた男、街で見たことがある。彼は、、、


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