第41話 些細な違い (前)
獣人、と言っても多種多様の種族がいるわけで。
見た目が人間に近い猫耳カチューシャタイプもいれば、二足歩行の動物と言った見た目の獣人もいる。
そして哺乳類から、鳥類、爬虫類まで多種多様そろっているので、当然得意不得意がある。
問題は、彼ら自身何が得意で、何が不得意なのかをちゃんと理解できてない所。
そりゃそうだ、人間を基準に得意、不得意など言われてもわかるはずもない。さらに性格まで混じってくると、忠実なネコちゃんもいるし、気ままなワンちゃんだっている。
まぁ結局、何ができて何ができないのか、あれや試す他ないわけで。
戦士、斥候、学者に料理人、建築士に大工など色々と働いてもらっているが、どれもこれもしっくりこない、というのが正直なところだ。
そしてこの喫茶店『猫の夢』。
最大の失敗と言ってもいいだろう。
司もただのお遊びで猫耳メイド喫茶すりゃ儲かるんじゃね? アハハ。そんなノリで始めたのだが・・・
扉を開けると、ハーブの香りが店内に満ちていた。
一人の紳士が微笑み、席に導く。
彼は、この店で働いているわけじゃない。司たちと同じ、ただの客だ。
カウンター席に座ると、すぐに横からケーキが差し出された。
隣の淑女は微笑みながら頷く。
そう、彼女もただの客だ。
集まった紳士淑女たちは日当たりのいいテーブル席を眺め、微笑んでいる。
そこには、6人ぐらいの子供の獣人たちが寄り集まって日向ぼっこをしながらお昼寝をしているのだ。
メイド服を着た猫娘は大きく欠伸をして、耳の裏を撫でる。
燕尾服を着た猫少年は、その子に顔をこすりつける。
その様子を見て、紳士淑女たちは微笑みを浮かべていた。
「乙女ゲーに、こんなマニアックな店があるの?」
「・・・ごめん、あたしの知っている店じゃなかったわ」
紙村豊子は動揺しながら返事をした。
司たちはハーブティとケーキを持って、日陰のテーブル席に座った
「人間と同じぐらい働くってのが、できないんだ。いろいろな仕事場からクレームが来たんだけど、どういうわけかこの喫茶は売上が伸びてたんだ。来てみたら、御覧の有様。何故か客がお茶を出して、甘味を持ってきては従業員を愛でるというシステムが作られていた。なにを言っているかわからないと思うけど、僕だってさっぱり理解できないんだ」
豊子は難しい顔で腕を組んで、うーんと唸った。
「それなんだよね、あたしが知ってるゲームとはちょこちょこ違うところがあってさ」
「それは、困るね」
司の返事に、豊子は更に首を傾げる。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「というと?」
彼女は、じっと司を見た。
「ユリナってさ、国家転覆を目論むテロリストなんだよね」
さも当然のように言って来た。
昨日は、しんどくてなんか書けませんでした。
今回も半分ぐらい
なんかしんどくて、ちょっと、一週間ぐらいサボりたいです。




