表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/88

088 エピローグ・例の少年たちのそれから。



* * * * * * * * *





 人族と魔族が双方の意思を確認してから2週間後、全ソルジャー管理所、そして世界各国に各国のトップから1つの知らせが届いた。


 魔族との協定の存在を明かし、そして人族と魔族の争いを禁止する人権・魔権保護の決まりを制定したのだ。


 今ではソルジャーに警察の役割も与えられ、軍とも連携をして人族、魔族双方を取り締まる立場になった。


 ニーナとエインズは今もコンビを組んでいる。時々ジタも合流し、以前のように間の抜けた和気藹々とした旅を続けている。



「じゃあエインズ。長期休暇が終わったら、次は海を渡りましょ。私たちせっかく魔王公認の悪者退治屋なんだもの。稼がないと税金払えないからね」


「うん。また3週間後の金曜日に管理所の前で! チャッキー、このダイナ市からエメンダ村まで走ったら疲れるかな」


「おそらくはそうだと思われます。走って帰られますか?」


「うん、帰った時、あー疲れたって言うんだ!」


「以前ならば夢だった言葉ですね。しかし、エインズ様は最近疲れる事を率先してなさるので、持久力が付いている気がいたしますが」


「えっ……」



 人族の間に混乱を招いたが、それも半年ほどの間。


 数年も経てば、僅かずつだが人の住む町や村にも魔族が定住を始めた。


 5年後、本格的にジュナイダ特別自治区が巨大な恐怖のテーマパークとしてオープン。人族の自由な訪問を歓迎し始めると、恐怖に飢えた人族が国境の砦に押し寄せた。


 以降、宿泊型の超人気恐怖スポットは、老若男女を問わず大人気な観光地として、いつ訪れても砦前で最低5時間待ちの、長蛇の列を成しているという。


 土産物一番人気はバターサンド。


 何を使っているか分からない不気味な中身と、毒々しい色合いが気味の悪い逸品だ。


 箱や包装紙には魔獣を抱いた少年の絵。「友好を築いた奇跡の味」という、何味かはさっぱり伝わらないが、都合の良い売り文句が添えられている。



「チャッキー、おいで」


「はいエインズ様。おや、そんな立派な紙袋をどちらで?」



 そんな平和の象徴は1人と1匹、きっと今日もどこかで元気よく呪われているに違いない。





【CHUCKY】―弱くなりたい最強少年と、忠実で役に立たない猫型精霊の話―



Fin.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったわ(*^▽^*) 次回作も、絶対に惚けがいる事を願います!O(≧∇≦)O
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ