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風守りの魔女

風守りの魔女

作者: 狸奴

魔女と呼ばれる者達がいる。


 その者達は魔術を会得し、人々の病を治し、風を操り、動物と対話をする。そして、神々が各地に創造したとされる巨大なカンテラの灯を途切れる事無く数千年守り続けているのだ。


 この灯は邪悪なものを退け、芽吹きの風を呼び込むとされており、各地の人々は魔女を敬い畏れ暮らしている…




 ここは航路中継都市オフェリア。海路と空路の中継地点として栄えている。大層に「航路中継都市」などと名前が付いてはいるが、西側に小規模な港がある他は、南は断崖、東と北には山脈がそびえる東の辺境だ。


 オフェリアが中継都市としての役割を持つようになったのは、ここ百年ほどの事だ。飛行船やそのほかの機械を動かすために必要な魔法石の鉱脈が発見され、更には魔力の切れた魔法石に魔力を補充できる魔法泉(まほうせん)が湧き出ている地底湖までもが発見されたからだ。

 この魔法石という石は、使い続けると魔力が無くなりただの水晶になってしまう。その為、定期的に魔法石そのものを交換するか、魔法泉に浸し魔力を補充する必要がある。水や食料も補給でき、なおかつ魔法石の交換もできるとなれば、必然的に補給基地としての役割を果たすことになるというものだ。


 しかし、希少な魔法石が採れるとなれば、金の匂いに敏感な者たちが黙っては居ない。魔法石が発見された当初は、商人や良からぬ輩が利権を我が手にするべくオフェリアへと殺到した。

 街の住民達はそれらの侵略者達を、ただ黙って受け入れたわけではない。鉱山の産出量を細かく管理し、全ての魔法石を街のギルドが一元管理をすることにより、特定の商人に販売ルートを独占させないようにしたのだ。海賊が街を襲撃しようとした時は、漁師たちが総出で追い払った。


 一筋縄では行かないと思った海賊達が徒党を組み力ずくで街を占領しようとした際、この街の東の海に浮かぶカンテラの島に住まう、風守りの魔女直々に海賊を追い払ったという。

 その魔女は鼻と口しか見えないボサボサの長い黒髪に、こめかみ辺りにひと房の白髪が混じった長身痩躯にボロボロのローブを纏った何とも怪しげな姿で住民たちの前に突如として現れた。


「この街のカンテラ()りを引き継いだその日に、騒がしい侵入者が来るとは都合がいい。挨拶代わりにあの不埒者どもを追い払おうではないか。」


と表情の見えない顔で言うなり、手に持った古い樫の杖を地面にコンと打ち付けた後、海賊達の船に向かって一振りした。すると、港に押し寄せた海賊たちの船が突風により沖へ沖へと押し流されたのだ。


「この街に悪意を持つ者たちが近づけぬようまじないをかけた。矢も砲弾(たま)も、この街には届かぬ距離までしか近づけまい。この街の事に手を貸すのはこれが最初で最後だ。私は島に籠る。」


そう言い残し魔女は現れた時同様に忽然と姿を消した。その日から、カンテラの島の頂に建つ小屋の窓に明かりが灯るようになった。

 それから百年、今ではカンテラの島は風守(かぜも)りの島と呼ばれるようになり、今でも魔女がカンテラの灯りと、この街を護っているのだ。



この作品は、作者がMinecraftというゲームで作成している街で、思いついた設定を書き連ねているものですので多分続きませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

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