表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帝国博物館の見習い学芸員  作者: ヤマガム
1/27

プロローグ?

初めての投稿なのでマニュアル見ながら投稿しました。

何かルールが間違っていましたら教えて頂けるとありがたいです。


※誤字脱字は大目に見てください・・・

これはここではない別の世界のお話・・・


人類は「人族」、「聖神族」、「魔神族」に枝分かれし対立し争っていた時代・・・

一人の『英雄』と呼ばれる男が現れ、その『英雄』の行動により争いは収まり、人類は種族の垣根を超え共に手を取り合い歩む道を決めた。


勿論、今まで争っていた者同士がいきなり良き隣人になれる事は無く、各種族の代表たちと『英雄』は話し合い、各々の種族が支配する土地の重なり合う中心に『交流地域』制定し種族の交わる土地を作りお互いを認め合う努力を始める。


争いの影は残るものの同じ価値観を持ち、同じ言葉を話し、争いに辟易していた者同士が一度打ち解け認め合えば話は一気に加速し『交流地域』は『平和都市』と名を変え平和の象徴として3種族の代表の名の下、一つの小さな国として独立し、それと時を同じくし各々の種族毎に異なっていた年号を『統一歴』に改元し平和の道を歩むことになる。


平和な時代が始まった統一歴3年、『平和都市』の代表補佐となった『英雄』は・・・


- - - - - - - - - - - - -




「うっ・・・」

俺は後頭部に鈍い痛みを覚え目が覚め、頭を押さえながら周りを見回し、思考が固まる。

『白い以外何もない空間』・・・それ以外形容する言葉がない場所にいることに気が付いた。


「あれ? ここどこ?」

記憶にない場所で目が覚めた俺は今の状況を整理し始める。


・・・寝ている間に転送魔法を使われたか?

いや、それはない。

俺の魔法防壁を破れる奴なんざそうそう居ないし、破ろう物なら膨大な魔力が発生し嫌でも気が付く。


・・・そもそも寝る前、俺は何をしていた?

昨日は『平和都市』軍の連中と一緒に人族の都市に演習(という名の慰安旅行)に行って、

一棟丸々借り上げた温泉旅館で男連中と大宴会場でしこたま食って飲んだ。

その後、便所に行った帰りに大浴場に向かうヘレンちゃん見かけて覗きに行った。


・・・うん、間違いないここまでは覚えている。

ヘレンちゃんの軍人らしい引き締まった体に不釣り合いのバインバインを見てひと時の安らぎを感じ、

溜まりに溜まった欲望と酔いに任せ、浴場に突入して足をツルッと?


・・・ツルッと?

まて、まてまてまて。

幾ら何でも使い古された三文芝居のような事をするわけ無い、、、と信じたい。

が、でもツルッの後の記憶が無い。



俺が痛む頭を抱えながらヘレンちゃんのバインバインを思い出していると、移転魔法に似たの魔力の揺らぎが現れ、揺らぎの中から一人のオッサンが現れ俺を見ると話しかけてきた。

「目が覚めたようだな『英雄』、いきなりで悪いんだがお前さん、死んだよ」


目の前に現れたオッサンにいきなり死亡宣告された俺は、

「は? 俺が死んだ? 何言ってんのオッサン。てか、あんた誰?」


俺の質問に、オッサンは胸をそらすように張り、突拍子もないことを言い始めた。

「儂はこの世界を創造した者だ、お前さんたちの言うところでは神様とでも思ってくれて構わん」

「やはり自分が死んだ事に気が付いておらんか・・・お前さん風呂場で盛大にすっころんで頭を打ち付けてそのまま・・・」


オッサンの説明に意識を失う前の俺の記憶が鮮明に蘇ってくる。

確かに、頭を打って倒れている俺は泣き叫ぶヘレンちゃんに抱きかかえられて・・・そのまま意識を・・・

「じょ・・・冗談だろ? 確かにヘレンちゃんに突撃していってツルッってしたけど、

 今まで生きてきて頭なんざ幾らでも打ったぞ、あんな転んで打ち付けただけで死ぬなんて信じられっか」


俺がオッサンに食って掛かると、オッサンは両手を俺の方に向けなだめつつ、

「そう言われてものぅ、時々居るんじゃよ、お前さんみたいに突然ポックリとしてしまう奴は」

「まぁ定めと思って諦めて、新しい人生をやり直しとくれ」


ポックリ? 定め? 新しい人生??? いきなりわけのわからない説明をされオッサンに質問を続ける。

「まて、仮に・・・仮にだ・・・百歩、いや千歩譲ってあんたが神さんで、俺がツルッとしてポックリな定めだという事を信じよう。

 で、新しい人生って何だ?」


困惑した俺の質問にオッサンは、

「まぁ、いきなり信じろとは難しいが、本来は死んだ魂は溶けてこの世界還るのが理なのじゃが、

 お前さんのように生前にこの世界に貢献した者は特例で新しい命として生まれなおす許可を出しておるのじゃよ」

「それでお前さんの生まれ変わり先じゃが・・・」


オッサンが手をかざすと一人の若い女が浮かび上がる。

「一番近くで生まれなおす場合なら2年後、この娘は身籠る事になるが残念ながらその子供は魂を宿す事が出来ずに生まれてきてしまう

 そこにお前さんの魂を滑り込ませる事が出来るが、どうじゃ?」

「今のお前さんのような力は持てないが、魂さえ宿れば健全な「人族」男児の体として、今の知識は持ったまま生まれなおす事が出来るぞ、お得じゃぞ」


いきなりお得感を押し出してきたオッサンの説明に俺はふと気が付き、

「なぁ、オッサン

 死んだ体に魂を入れる事が出来るんなら、今の俺の体に俺の魂を入れなおすだけで良いんじゃねぇの?」


俺の質問にオッサンは深く頷き、申し訳なさそうな顔をしながら答えてきた。

「ふむ、その考えはわからなくもないのじゃが、一度魂が抜けた体に改めて魂を宿すことは出来ん

 儂が出来るのは、魂の宿せなかった体に魂を入れる事だけじゃ、すまんのぅ」


オッサンの返答に俺は愕然としつつもう一つの質問をする。

「もし、あのネーチャンの子供として生まれ変わった場合、今の俺のような力は持てないって言ってたけど、どれくらい力が使えなくなるんだ?」


オッサンは絶望的な返答を返してきた。

「全くじゃ、本当に一般的な「人族」の男児として生まれるだけじゃ」

「後天的にある程度のスキルや魔力を習得はできるじゃろうが、今のお前さんのような例外にはなれんじゃろうなぁ」

「ところで、そろそr・・・」


オッサンの返答を全部待たずにオッサンの胸ぐらを掴み、

「待ってくれ、俺は今の力を手に入れるまで死ぬほど苦労してきたんだ、

 それこそ本当に死にかけたことだってある、それを全部捨てなきゃいけないのか!」


胸ぐらを掴んでいる俺の手に、そっと手を添えたオッサンがすまなそうに首を横に振り、

それを見た俺は膝から崩れ落ちた。

「そんな・・・

 オッサン・・・俺は良い女を抱けて旨い酒を飲むために、本当に・・・本当に努力したんだ・・・

 それこそあのバカの一つ覚えみたいに争っていた3種族の争いを治めて『英雄』なんて箔をつけて・・・

 これから、これからって時なんだ・・・俺のハッピーライフは・・・」


orzの体勢でマジ泣きをし始めた俺にオッサンが気の抜けたような声で、

「あー、なんだ・・・その・・・生まれ変わってもその努力をすれば、今ほどでなくてもそれなりには何とかなるんじゃないかのぅ・・・」

「それと、そろそr・・・」


オッサンの生まれ変わっても頑張ってね発言を聞いた俺は涙でぬれた顔を上げ、

「無理だ・・・『英雄』でも無い、それこそ探せばそこらへんにいくらでもいるようなそれなりな男なんかに、一国の姫だの令嬢達が股を開いてくれるとでも思ってるのか・・・」

「それに今の記憶を持ったまま生まれ変われるんだろう、

 俺がこの力を手に入れるのにどれだけの無理な事をしたか知っているまま生まれるんだろ?」

「知らないから無茶をできたことだって幾らでもあるんだ・・・」


絶望感に苛まれている俺にオッサンは冷めた声で、

「そうか、ところでそろそろ儂の話を途中で遮るのはやめてくれんかの、大切な話を最後まで言いそびれてしまうぞい

 さっきから言おうとした矢先にお前さんに中断されてきたんだが、足元を見てくれ、魂が溶け始めてきておる

 そろそろ時間切れじゃ、転生を受け入れるか、それとも・・・このまま溶けて世界に還るのも今のお前さんには良い気がしてきたんじゃが」


突然の時間切れ発言に俺は足元を確認すると凄い勢いで体が薄くなっていくことに驚愕し、これからどうするのかの質問にパニックになる。

「ひっ、おっオッサン!

 俺はまだ消えたくない、もっと沢山の女を抱いて、旨い酒を飲みまくりたいんだっ

 なぁ、さっき言ったよな 一番近くで生まれ変わるなら2年後だって、

 だったら、ずっと先の未来でもいい、俺の今までの努力が・・・力が無駄にならない・・・

 『今の俺の力もそのまま引き継げる』転生先を探してくれっ、頼むっ」


腰辺りまで消え始めた俺の懇願を戸惑いながら聞いていたオッサンが、

「うぅむ・・・今からお前さんの言う条件を探す時間などもう残っておらんぞぃ」

「じゃが、探せはしないが、これから先の未来にお前さんの魂を飛ばす事は出来る、

 もし条件を満たす事が出来る体がなければ、お前さんの魂は溶けて世界に還ることもできず、

 何も救いのない闇の中にとらわれ続けることになるぞぃ、それでも良いんじゃな?」


オッサンの発言に首の下まで消え始めた俺は、

「かまわねぇ、長い未来だ。 必ず一回くらい条件が合う奴だっているはずだ」


俺の答えにオッサンが「そうか」と呟きながら手を広げると目がくらむように空間が輝きだし、

「まぁ、何に生まれ変われるか知らんが、頑張るんじゃぞ」


と、オッサンのつぶやきに若干選択を誤ったかもしれないという不安を残しつつ、俺の意識は遠のいていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ