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或いは逃げ方について。  作者: 相宮。
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白い部屋での結果

 また、そうやって。

 あの人からそうやって。

 幸せを壊したのは誰?

 いつまで逃げてるの?

 いつまで逃げてるつもり?

 逃げていても変わらないのに。

 アの人を殺シたのはダれ?


 ずっと、逃げているから。

 自分は、君から逃げている。

 自分は―――――。


 白い部屋で目を覚ました。

 酷い頭痛と体が痛くて。

 ……ここはどこだろう。

 辺りをぐるりと見てみる。

 今、自分が寝ていた簡単な作りのベッドと、小さなクローゼットが置いてあるだけの部屋。

 蛍光灯が、ジジッと鳴った。

 ――1人の女性が部屋の扉を開けて入ってきた。

 随分長いことこの――施設かはわからないけれど、居慣れているような感じがした。

「目、覚めた? また戻ってきたんでしょ」

 また戻ってきた?

 どういうことだ?

「……ここは、どこなんですか」

「もうそれ3回目よ。同じこと訊かないでよ」

 3回目?

 自分は、ここに来たことがあるのか?

 この女性とも、既に面識があって――

 ……頭が痛い。

「会いにいかなきゃ……あの人に会いに行かないと……」

 君が泣いている。

 何故か、良くわからない人のことが頭に出てくる。

「……どうせ、戻って来るくせに。アンタ、また行くの?」

「行かなきゃいけないんだよ……!」

 ベッドへ、戻る。

 あの人を探し、ねえ、に、どこ、行かな、に、きゃ、

 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい――

 自分は、また、逃げた。


 どうして逃げるの?

 頭が、おかしく

 君はどうして泣いているの?

 なって、自分は

 君は、泣かなくていいんだ。

 君の目の前で

 笑った顔の方が綺麗だよ。

 君に、刃物を

 だから

 自分は、自、分は、

 逃げた。

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