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3度目の再会

カンナSide



明日は金融の組織に行く日。


「あと、なんか忘れ物ないかな?」



ヒナタは、融資に必要な書類などを朝から張り切って準備してる。


そんな彼女を、あたしはただ見つめていた。


見ず知らずのあたしをここにおいてくれて、こんなにもよくしてくれるヒナタ。


結局、本当のことを言えないまま、今日まで〝記憶喪失〟で過ごしてしまった。


少しでもモアの助けになれば嬉しい。


それは本心。


でも、元の世界へ帰りたいと思う気持ちがなくなったわけではなくて…。


何か一つでも帰る手段が見つかれば、ヒナタにも相談できるのに。


どうやって来たのかはわからないけど、この異世界に来くることができたんだもん。


なら、元の世界に帰れない…

なんてそんなはずはない。


明日、組織に行く前にもう一度だけ。



「ヒナタ…ちょっと出かけてくるね」



なんの前触れもなく突然そう口にしたあたしに、ヒナタは顔に?マークを浮かべた。


「一緒に行こうか?」



「ううん…大丈夫」



あたしの鏡…探さなきゃ。


この間、あの男のせいで中を調べられなかったあの洞窟へ、


もう一度行ってみよう。


ヒナタには何度も、どこへ行くのかと聞かれたけど、ちょっと散歩をしたいと答えて、逃げるように家を出た。


何も話せなくてごめんね…そう思いながら、歯がゆさに唇をかみしめてただひたすら走った。


森の前までたどり着くと、思わず足が止まる。


〝この森には白虎の御霊が彷徨っているのよ〟


ふいに聞こえたヒナタの声。


でも、今は白虎の御霊だとか、そんなものにびびってる暇はない。


よし!!

一度気合いをいれて森へ入ると、もう迷うことはない。


あの洞窟まで猛ダッシュ。

この間の帰り道、二度と忘れるものかと、道のりをこの目に焼き付けておいた。


走って…走って…ただひたすら前だけを見て走って、5分くらい経っただろうか…。


「ここだ…」


はぁはぁと上がる息を整えながらも、目の前にある入口を見据えた。


この異世界に来て2週間。

やっと…やっと、確かめることができる。


入口が覆われている草木をそっとかき分けながら、ゆっくりと体を中に入れた。


あの日の夜とは違って、今日は昼だからなのか、光が差し込んでいて、洞窟の中は薄暗い。


少しでも光があったことに安心して、体をさらに奥へと進めた。


緊張か不安かそれとも期待か、いろんな心境が重なって、胸の鼓動がドキドキ激しい。


もう、こんな脈は二度と味わいたくないと思うほど心臓に悪い。


細い通路をそのまま数メートル歩いていくと、急に大きく広がっているスペースがあった。


広さは12畳くらいだと思う。

周りは土の壁。

いくつか無造作に置かれている木箱。


あの日、携帯のわずかな明かりを頼りに見た光景。


たぶん――ここだと思う。

あたしがこの世界にきた場所は…。


確信なんかないのに、辺りを見回しながらひたすら鏡を探がした。


だけど、そんなに広くもないこのスペース。


見渡す限りでは、鏡らしきものは落ちてない。


やっぱり鏡はこの世界に、こなかったんだろうか。


なら、もしかして、あたしが帰る手段は、無くなってしまったの?


唯一のツールが途絶えてしまいそうで、どうしようもない不安が襲いかかってくる。


恐慌状態でうろうろとただ歩きまわっていると、さっきから目に付くのは、何個か無造作に置かれている木箱。


この箱は…なんだろう。


少し怖いと思いながらも、興味本位でその箱に手をかけた。


死体とか入ってたらどうしよう…。


まさかね…。


でもそんな恐怖も無用。


入っていたのは、ふんだんに詰め込まれてるただの衣類。


それに、黒い布がたくさん。


あれ?


…そういえば、モアが捕まってるときも、こんな布を手首に巻かれていたっけ。


隣の箱も開けてみると、そこには束になった紙。


数字が書いてあって…もしかしてお金?


いったい、ここはなんなの?



――ガサガサっ…



えっ?


その時、入り口の方で、もの音がした気がした。



やだ…何の音?


その音を確かめようと、ゆっくり様子を伺いながら出口の方に向う。


獣か…人か…それとも風か…。


だけど出口付近まで来ても、それらしきものは、何も見当たらなくて…。


はぁ…本当、心臓に悪いよ。


安堵のため息とともに、いったん洞窟の外へでると



「……っ!!」



あたしの目の前に立ちふさがってきた、

1人の大柄な男。


吸った息を吐くことさえ忘れてしまうほど、びっくりして声がでない。


やばいっ…誰?


無言のまま、ただ視線を絡め合うこと数秒。


すらっと背の高い、顔立ちの整った美男子。



だけど……何?…この人の体。


腕まくりをしているその腕は、相当、鍛え上げられているとわかるほど筋肉そのもので…。



「中で何をしていた」



「えっ?」



あまりにもアンバランスな顔と体。


そして、その威圧感に、ゴクリとツバを飲んで彼を見上げた。



「何をしていたと聞いてる」



「な、何もしてないです」



うそっ…どうしよう。

なんか、ちょっと怖い…。



帰り道の方へチラッと視線を送ると、男はあたしの肩をドンと押して一歩近づいてくる。


やだ、本当に怖いよ。


早く逃げなきゃ。


「あ、あ、あの…あたしは…その…探し物を…」



「何をだ」



見降ろしてくる冷酷な視線に、よからぬ危機を感じて冷や汗が流れる。


怪しいものではないと訴えかけるように男をじっと見つめた。


なんて言ってこの場を逃れようか…。


でも、ここは正直に言った方が賢明なのかもしれない…――そう思い口を開いた。


「あたしは…か、鏡を探してて…」



「鏡…?」



顔をしかめながらそう聞き返してくる。



「はい。このくらいの鏡なんですけど…み、見ませんでしたよね?」



そう言った瞬間、男はスーッと目を細めて、険しい表情に変わった。



「それは…どのような鏡だ」



距離を縮めながらあたしに近づいてくると、男は冷淡にゆっくりと問いただしてくる。


「どのようなって…。あの…鳳凰の…鏡です…」



「なんだと?」



えっ?なに?


あたし…なんか言った?


さっきよりも、鋭くなった男の表情を見たその瞬間、突然、風と共にふわっと浮いたあたしの体。


でも浮いただけじゃない。


体が…痛い!!


気圧に締め付けられているかのようで、全身が絞られるようにねじれてくる。


息がしにくくて、苦しい…。



「もう一度聞く。探しているのは、〝鳳凰の鏡〟と言ったのか?」



このままじゃ体が砕けてしまいそう。


い、痛いよぉ…。なんで?


どうしてあたしがこんな目にあうの?


鳳凰の鏡を探してたら、なんだっていうのよ。


でも…もう、これ以上耐えられない。



「ち、違う…もしかしたらあれは…鳳凰じゃなかったかも。鳩…だったかもしれない。きゃ、きゃぁぁぁ!」



あまりの激痛に思わず叫び声が上がる。



「なぜお前が鳳凰の鏡を探してる」



「だから…鳳凰じゃ…なかったかも…」



「正直に答えろ!!」



「苦…しい…放…して…」



「答えないなら、このまま死ぬだけだぞ」


なぜって…どう説明すればいいの?


鏡の中の世界から来て、そこに戻りたいから…。


んなこと言ったら、信じてくれるわけ?



「それは…あ、あたしの鏡だからよ!!自分の鏡探して…どうして殺されなきゃいけないの?」


うぅっ!!


本当にもう…限界。


空気が脳に入ってない気がして、頭がくらくらする。


あぁ…あたし…

もう終わりなのかな。


ここで死んじゃうのかな?

なんだか凄く未練だ…


結局この世界がなんなのかも、鏡を見つけることもできないまま死ぬなんて。


おばあちゃん…ユリ…それに蓮。


もう一度だけ、会いたかったよ。


みんなの顔を思い出したらじわっと涙がこみ上げてくる。


体中が痛いはずなのに、

もう麻痺してよくわからない。


あぁ…人は最期、こんな風に死ぬんだ。


心残りとやりきれない気持ちの中、覚悟を決めて、ゆっくりと瞳を閉じた…


――その時…



「キト…放してやれ」



聞こえたその声と共に勢いよくドスンと地面に落ちたあたしの体。


「ゲホゲホっ!!はぁ…はぁ」


痛ぁぁ!!


これ以上ないくらい、いっぱい息を吸い込んで体中に空気を入れた。


あれ?あたし。生きてるの?


そうだ、こんなに体中が痛いんだもん。


生きてる証拠だ。


…もう駄目かと思った。


しゃがみこんでるあたしの前には二つの影が見える。


ゆっくりと顔を上げて、その影を追うと…――



えっ?…ど、どうして?

なんでまたここに…キス男がいるの?


一瞬頭が混乱してわけがわからなくなる。


「お前は何者だ」



その険しい物いいに背筋が凍りついた。



“頼む…しばらく一緒にいてくれ…”



あの日、あたしにそう言った彼の眼差しとは、明らかに違う、穏やかならぬ顔つきに恐怖を感じる。


それに、何者って…、それはこっちのセリフだよ。


こいつに会うのは三度目。


あんたこそ、一体何者なの?


ガクガク震える足をなんとか立ち上がらせて、枯れ葉をズルズルと滑らせながら後ずさりするあたしを凝視してくる男たち。


あたしは、魔力が使えない。


それに女のあたしが、こいつらに立ち向かって勝てる可能性なんてゼロに等しい。



“キト”とそう呼ばれていた男は、一歩一歩距離を縮めながら、あたしの方へ詰め寄ってくる。



今こそ、


本当の絶対絶命なのかもしれない。




「カンナ!!」



えっ?


その声・・・



ヒナタ?




聞こえた声を探そうとキョロキョロと辺りを見回していたら、


突然、あたしと男たちの間に勢いよく燃え上がった炎。



「仲間がいたか…」



ヒナタはパッとあたしの腕を掴むと森の出口に向かって走り出した。



だけど、どんなにダッシュしても、所詮、走ることしかできないあたし。



後ろからあとを追いかけてきた二人は


頭上であたしたちを追い抜かして、パサッと目の前に降り立ってくると道をふさいでくる。



「カンナ…下がってて…」



「う、うん…」



ヒナタはあたしを背中に隠すと、両手を軽く合わせた。



その瞬間、ポワンっと手の平の中には炎が浮き上がる。


手の中で丸くできあがった炎は、

まるでボールを投げているみたいに、ヒナタの手から男たち目掛けて飛んでいく。



だけど、何度も何度も相手に向かって放たれたヒナタの火は、


無残にも彼らの気合いだけで吹き飛ばされた。



「…っ!!」



ヒナタの魔力を片手で吹き飛ばすなんて…。


なんてやつらなの。




相手を攻撃するのは…無理かもしれない…。



同じことを思ったのか、


今度は、あたしたちの周りに自ら火を放ったヒナタ。



炎は背の高さまで激しく燃え上がる。


彼らは、その中にいるあたしたちに近づくことができなくて、一瞬、ためらいを見せた。



そのすきを見て



「カンナ!!掴まって!!」



ギュッとヒナタに抱きつくと、一気に高度を上げて空高く舞い上がっていく。



うわっ…嘘…あたし、


飛んでる。




「思いっきり飛ばすからね!!」



その言葉を聞いて、

ヒナタの体に腕を絡めてしがみついた。



風に逆らい、猛スピードで白森の村を目指したあたしたち。



ヒナタにしがみつくことが

やっとで、目も開けていられないほどの速さ。



耳が冷たく凍る。



まさかこんなスピードで

人間が空を飛ぶなんて…。


信じられない。



危機的な状況にも関わらず初めて味わった体験に感激していたあたし。



それから1分ほど武空して白森の集落へたどり着くと


高度を傾け、速度を落としながら着陸する。



地面に降り立ったと同時に、すぐ傍にあった倉庫の影に二人で身を隠した。



ヒナタは四方八方、

空を見上げて彼らの姿を探してる。




「大丈夫…もう追ってこないみたいね」



「うん…」



上がる息を整えながら、



「魔力を…使いすぎた…」



そう呟いたヒナタは、体を90度に曲げて苦しそう。



「大丈夫?」



「大丈夫よ…」



あたしは、はぁはぁと息を切らしているヒナタの背中を何度もさすった。



「助けてくれてありがと…」



「本当、後をついて行ってよかった」



「えっ?」



「なんだか俯きながら家を出て行ったから心配になってカンナの後をつけたのよ。だけど途中で見失って…でもよかった」



「そうだったんだ…」



「これからは、どっか行くなら、あたいも付いて行くからね」



「心配かけてごめん。…

でもさすがヒナタの魔力ね。あの男二人から逃げきれるなんて」



あたしがそう言うと、

彼女はブンブンと大きく首を横に振った。




「もの凄く強い魔力を感じたわ」



「えっ?」



「あたいは最大限の魔力を使ったのに、あんな簡単に跳ね返されるなんて…。

あいつらが本気で追う気がなかっただけよ」



“怖かった”って呟いたヒナタはさっきの状況を思いだしたかのように、震える体を両手で抱えていた。



ヒナタが強い魔力って言うならきっとそうなんだ。



キトとか言う男も凄い筋肉だったし…。



あたしたち、よく生きて帰って来れたなって思ったら改めて、ぞっとした。



それもこれも助けてくれたヒナタの炎のおかげ。



あっ…でも、



「火を放ったままで帰ってきちゃったけど…大丈夫かな…森が燃えちゃう」



「平気よ。あいつら青龍だから、風を使って消すわ」



あぁ~なるほど。

青龍ね…そうだったんだ。



なら、火も消えて安心…



へ…?



「ねぇ?どうしてあいつらが青龍ってわかるの?」



空を飛んでたから?


でも飛ぶのは朱雀だっているでしょ?



素朴な疑問をヒナタに投げかけると、口をポカーンと開いたまま、呆れた顔であたしを見てくる。



「どうしてわかるって…。あぁ~そうだよね。カンナは記憶喪失だもんね。

もう何を質問されても驚きはしないわ」



「…教えてください」



「目の色よ。あの人たち青い瞳をしていたわ。青龍は紺色、白虎は茶色、朱雀は灰色、玄武は黒の瞳をしてるのよ」



そう言って、自分の目を

ベーって下げたヒナタは



「ほらっ…あたいは灰色でしょ?」



って見せてくる。




「あっ…ほ、ほんとだ」



今頃気づいた…。



ヒナタの瞳は灰色だ。




「カンナは?…あらっ。茶色だから白虎ね」



それを聞いて思わず苦笑い。


ここは、“はい白虎です”って言うべきかな。



元の世界ではあまり瞳の色を意識したことはない。


実際、あんなに四六時中、一緒にいたユリの瞳が茶色だったか、それとも黒だったかわからないくらいだし。


あぁ…そういえばクラスメイトに灰色のカラコンをしてる子がいたっけか…。


まさか、この世界の人の瞳にそんな秘密があったなんて。



青龍…か…。



それにしてもあいつらは

一体何者だったんだろう。



同じ場所で2回もでくわすなんて…。



ただの偶然にしてはこんな森の中で二度も会うなんて不自然すぎる。



それに前から思ってたけど雰囲気がなんとなくただの村の人って感じじゃない。



あの森で何をしていたんだろう。



ん~。

気になるなぁ。




「実はねヒナタ…あの人なのよ。うどんのお金をくれたのは」



「えぇぇ?本当?」



ヒナタはびっくりしたように目を見開いて、“お礼どころか火を放っちゃった”って呟いてる。




「それに、あいつに会ったのは、今日で3回目なの」



「なにそれ…もしかして跡をつけられてるとか?」



えっ?


跡を…つけられてる…。



いや違うと思う。


向こうもあたしが感じたのと同じように、

“なんでまた会うんだ”って、そんな表情をしていた。


だから、跡をつけていたわけではなさそう。



「それはないと思うんだけど」



「じゃぁどうして命を狙われたりしたのよ」



そこがあたしにもわからないんだよね。



ただ、やつらが凶変したのは…――あの時だ。




「鏡の話をしたら急に態度が変わって…」



「鏡?ねぇ…カンナは一体何をしてるの?何か…探してるんでしょ?」



「……」



「おじいちゃんが言ってたわ。カンナは記憶喪失なんかじゃないって…」



「えっ?」



「なにか大きな闇をかかえてるって…」



「……」



「ねぇ~そうなの?本当はそうなんでしょ?おじいちゃんの人を見る目は、だいたい当たってるわ」



じっとあたしを凝視しながら鋭い眼差しを向けてくるヒナタと、思わずうつむいたあたし。



あたしとヒナタの間に、

しばらく沈黙が流れた。



でも…。


もう…抱えきれないかもしれない。



つらくて、


寂しくて、



この世界であたし1人だけがよそ者で。



この“異世界”と言う闇をこれ以上1人で抱え込むのは、そろそろあたしの精神が限界なのかもしれない。



「もし…話たら…信じてくれる?」



「カンナ…あたいはあんたと、もう10日近くも朝から晩まで一緒にいるんだよ?そんなあたいをまだ信用できないの?」



強い口調でそう主張するヒナタに、あたしは無言のまま首を横にふった。



ヒナタなら、きっと信じてくれる。



あの日、鏡の中に体が吸い込まれたという非現実的なこと。



鏡の中に、もう一つの世界があるってこと。



きっと…信じてくれるはず。



あたしが17年間暮らしてきた世界の話を、聞いてほしい。



切にそう願いながら彼女を見上げると、


心配そうにあたしを見てくれていたその瞳が、


なんだか無償に嬉しかった。



「そう…おじいちゃんの言うとおり。あたしに記憶がないとか、魔力を忘れたっていうのは…うそなの」



「えっ?」



「忘れたんじゃなくて…

生まれつき使えないのよ」



「う、生まれつきって…。そんな人間がいるの? でも、どうして…」



ヒナタは、あたしが生まれながらの無力ってことに凄く驚いていた。



だけど、


本題はここじゃない。



――異世界の存在。



大丈夫…ヒナタなら信じてくれる。



あたしは、心の中で何度もそう繰り返して、ヒナタの様子を伺いながらゆっくりと口を開いた。




「あたし…別の世界から来たの…」



「えぇっ?」



当然、彼女の目は大きく開いたままだった。






家に帰って、あたしたちは夕食を食べることも忘れて、ずっと話をしていた。



始めは質問攻めで、あたしの一言一言にヒナタは衝撃を受けていたみたいで。



元の世界の話や、


ここの世界の話。



魔力の存在にびっくりしたこと。



おばあちゃんから誕生日にもらった鳳凰の鏡の話。



そして、この世界に来たあの夜のことを話すと、彼女はあたしの体をギュッと抱きしめた。



もっと早く話してほしかった…って。



カンナは1人なんかじゃないよ…あたいがずっと一緒にいるから…って。



そう言って彼女は、ポロポロと涙を流して泣いてくれたんだ。




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