仮説と実験と
20話になりました。お読みいただき、ありがとうございます!
020
そろそろ、まじめに検討しよう。
「魔力」について。
周りにある、のはわかる、実感する。どんな物が魔力を持っているか、も感知する。が、そこにあるだけじゃない。
初日の飛行、ヘビとの一戦、岩大蟻の団子作り、などなど。いずれも、自分の意志で「魔力」を「使って」いる。
今後もこれと付合っていくのなら、もっと具体的な性能や使い方を知っておくべきだろう。
しかし、物語ではよく登場しているとはいうものの、実際のマニュアルなど今現実ここにはない。またも、トライ&エラーか。
・・・被害が出ないといいな。
気を取り直して。
多分、魔力に「質」と「量」と「効果」を確定させて望む現象を起こしている。
小説には、呪文だとか魔法陣とか出てくるのは、先の三項目を指定するための簡易な手段として有効だからだ。
・・・ワタシは頭の中で、適当にできちゃったけど。
今後、同じ現象を意識して起こすには、適当では危ない。三項目のどれかの揺らぎが、どんな変化をもたらすかが予測できない。
やはり、呪文とかでイメージなどを固定化させた方がいいのだろうか。
まずは、確認。「質」からだ。
おおざっぱに
「火」
まんま、火を噴く。竹の加工で炎を出さずに加熱した。
「空気」
つばさを使わず空を飛んだ、というか滑空した。つばさで飛ぶときにも「つかんで」いる。
「空間」
蟻団子は、空気の固まりごと空間を認識して遮断したうえで、内側に圧力をかけている(結構複雑なことをしていた)。圧縮は、「重力」かも。魔力を体外に漏らさない。これは、体質の可能性もあり。
「雷」
ヘビに飲ませた「弾」に「雷」をまとわりつかせた、というか雷の固まりにした。
こんなところだろうか。
「量」は、言わずもがな。
自分が持つ「魔力量」は、多分、半端なくある。いっぱいある。ヘビを消し飛ばしたアレは自分でもビビったくらいだし。
これを「適」量で運用する。要は、指弾を撃つときのような加減をする、ということだ。
ただ、「へっ」を使い続けている間に気がついた。体内の「魔力量」が増えるにつれ、「へっ」の威力が上がり続けている。どれだけ「量」を絞り込んでも、今では、太めの枝一本が、ほかの薪に火を移すのが間に合わなくなりそうな勢いで、すぐに燃え尽きてしまう。自力での調節が難しくても、どうにしなければ、「軽く一発」が「一面焼け野原」になりかねない。
「効果」は使い方。
長時間とか、固さとか、離れた場所にとか、細かい設定のこと。「量」が溢れれば、細かい設定など吹っ飛ぶな。
一番の問題は「量」ということか。
直接がだめなら、間接で。
道具を使おう。
難しく考えすぎてる、とは思わないのかな?




