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成せば成る 2

016


 あれから、何度か狩りをした。

 主に狙うのは、地面の鳥。はじめてきちんと狩れたあの鳥が気に入ったから。もちろん、取り過ぎはしない。ほかの動物も捕る。


 山脈の方まで遠征して、岩塩を探し出した。あまり細かくくだけないが、塩は塩だ。薫製する前に摺り込んだり、たき火での焼き上がりに振りかけたりして楽しんでいる。



 だが、不満も出てきた。道具の使い勝手が悪いのだ。


 たき火で焼くときに、肉を刺して使うのは木の枝だ。火の当たり場所が悪いと、肉もろとも灰の中に落ちてしまう。火から遠ければ、当然生焼けだ。薫製ボックスも、板の上に肉を置くと、張り付いてしまったり、肉全体に煙が行き渡らなかったりする。木の串にぶらさげて薫製したときは、肉の重さに負けて、落ちてしまった。肉を小さくすれば、木の枝では刺さらないし、何より、一度に薫製にできる量が減ってしまい、効率が悪い。



 木以外の串が必要だ。



 あるもので、工夫するのがワイルドライフ。そこで取り出しましたるは、岩大蟻。

 弾に加工できるんだから、串にもできるんじゃね? ついでに、どうせつくるなら、調理器具一式を。


 ということで、またも、こねこねタイム。


 まずは、岩大蟻の団子を細長〜くする。程よい長さで切りそろえ、片方の先端を尖らせる。強度はどうかな? ぺきっ。

 ・・・自分の腕力、忘れてました。

 二本の木の上に、数本の串を並べる。その上に木をのせていく。あ、一本目で既に、真ん中が垂れ下がってきた。むう、失敗。生の大蟻はあんなに頑丈なのに、団子にしたとたんに軟弱になるとは。


 鉄ならば、炭素含有量を調整することで、強度を変えることが可能だったはず。もう一度団子に戻して、こねながら考える。全く別物ではあるが、何らかの方法で、強度を増すことはできるのでは? 例えば、圧力をかけるとか。早速やってみよう。


 ぎゆぅぅぅぅぅ


 あ、魔力も込めてしまった。ま、いいか。使うのは自分だし。


 串に加工する。重量負荷をかけていく。今度は四本めで曲がった。もう少し、強度が欲しいな。三度、団子にする。


 むぎゅぅぅぅぅぅぅ


 八本に耐えた。良さそうだ。串はこれでオーケー。


 次は、鉄板だ。鉄板焼き。いいでしょう?


 さっきの加工加減を思い出しながら、団子をこねて握ってのばしていく。

 う〜ん。均一にのばして板状にするのが難しい。


 洞窟の床に団子を置いて、力を込めてひっぱたく! がごん! ごがん! どごん!


 ・・・多少でこぼこになったけど、鉄板もどきも完成。



 さらに、次、行ってみようか。鍋だ。スープが作れる。



 薫製種の弾の作成用に、もう少し小さいナイフもあったらいいな。あ、薫製前の皮むき用にも欲しい。

 ・・・・



 と、料理を飛び越えて、延々と作り続けていましたとさ。

 

脱線しましたね。

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