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金の悪魔と金の天使  作者: 活字中毒
リーンテアの森編
3/32

Lv.002『そうやって考えたら、妖精ってすごく強いよね』

ある程度進んだら登場人物や設定も書こうと思います。


 さて、魔術を修得し直すに当たって、僕らはレソトに魔術について聞いてみた。ゲームとは色々違うだろうしね。


 レソトは妖精の子供は思考が大人と同じだったりするから、すんなりと話してくれた。




『まずは魔術の種類じゃが、黒魔術、白魔術、精霊魔術、召喚魔術、錬金術の五つがある』


 これはゲームと同じだ。“アルヴェディア”では魔術を使う。魔法は魔物が使うものなので別なのだ。


『雨水と立夏は妖精の血が入っているからの。魔術はどれも問題なく使えるじゃろう。特に精霊魔術と召喚魔術は得意中の得意じゃな』


 精霊魔術は精霊と、召喚魔術は聖獣や神獣と契約して力を貸してもらう魔術だ。対価として、魔力を渡す。


 間違ってはならないのが“貸してもらう”という点で、使役するなどと言う者は成功しない。妖精に適性が高く、その他の種族に低いのはその辺りの意識の違いだろう。


『黒魔術は魔族、白魔術は翼族、錬金術は人間が得意じゃが、妖精と大して変わらんよ』


 そう。妖精は魔術に関してかなりチートなのだ。魔術攻撃力、魔術防御力共にかなり高い。その代わり物理攻撃力と物理防御力が翼族の次に低く、レベルアップに他の種族の五倍ほどかかったりする。


 MP=HPで、MPが減るとHPも減るくせに(逆もしかり)HP回復薬が全く効かないのもネックだ。MP回復アイテムはなかなか手に入らないし、高価である。MPを他人に渡すような物好きがいるはずもなく、自然のものから吸収するなんて設定はなかった。だから、初めに妖精にしていた者も他の種族に変えていったのだ。


 一部を除いて。




「竜人はどうなの?」


 ある程度答えは予想しているが、立夏が聞いた。


『竜人は魔力を上手く使えないのじゃ。魔力があっても魔術は使えん』


 やはりそうか。


 しかし、竜人は物理攻撃力、物理防御力がダントツでトップである。ゲーム時代の僕や立夏が同じレベルの竜人の攻撃を食らえば、一発で死ぬだろう。


『魔術は基本呪文を詠唱するが、錬金術だけは別じゃ。錬金術は主に日常生活の中で活用する術で、薬品の調合や鍛治、魔道具の作成などに使用する。それから詠唱カットや無詠唱もあるのじゃが、妖精でもかなり難しいの』


 詠唱カットと無詠唱はなかった。時間短縮になるし、できたら面白いかもしれない。


『あと、三百年前の魔術は古代魔術と呼ばれておる』


「古代魔術?」


『うむ。昔の魔術は今よりも威力が高かったからの。忘れられた魔術はほとんどがそういうものじゃ』


 ゲームでいうところの上級魔術だろうか。確かに、現実で使えば街どころか国が半壊しかねないと思う。滅多な事で使うのは良くないかもな。ゲームみたいに味方を避けたりしてくれないだろうし。




「じゃあ妖精は魔術しかできないの?」


『そんな事はありませんよ』


 横で聞いていたユーランが言った。


『確かに妖精は魔術が得意で肉体戦は苦手ですが、そんなものは本人の努力次第でどうにでもなるでしょう』


 つまり、魔法じゃないけど魔法剣士みたいなのも夢じゃないと。


『まぁ、竜人のようになるのは無理ですが。弓やナイフ、あとは刀や鎌なんかは使えるんじゃないですかね』


「戦闘に使う鎌って大きくない?」


 妖精に重いものを振り回す力があるとは思えないんだけど。


『大きいですが、あれは遠心力を利用して振り回すんです。力はあまり関係ありません』


 なるほど。立夏は弓で決定かな。前世で弓道やってたし、東洋の弓とは違うだろうけど素人よりはマシだ。


『そうそう。魔術師でしたら、杖を使った棒術を習っておくのも良いのでは?』


 あぁ、そういうのもあるのか。二人に聞いて良かった。




 ゲームの世界では装備品が限られたり、一定以上能力値が上がらなかったりしたけど、ここでは何とかなりそうだ。妖精の弱点もある程度カバーできるに違いない……これってチートじゃ?


「そうやって考えたら、妖精ってすごく強いよね」


 同じ事を考えたらしい立夏が言った。


『そうですね。特にあなた方は両親の能力を良いとこ取りした存在ですから』


 食べ物の事とかね。飢える事はまずないと思う。


『ただ、妖精は数が少ないですよ。妖精狩りがありますから』


「妖精狩り?」


『妖精の羽は綺麗でしょう?羽だけじゃなく、容姿も端麗ですし。高く売れるんですよ』


 うわぁ。何て恐ろしい。


『捕縛の方法なんていくらでもあります。魔術を使えなくする魔道具とかね』


 だから体術もきちんとやりましょうね、と言うユーランに、僕らは真っ青になって頷いた。



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