8・入道雲の畑
今日は、入道雲の畑にワポの実の種まきに行く日。
ぽーたちの住む場所はもう秋で、モクモクした入道雲は夏にしか近くに来ません。
だから、遠くへ行かなくてはいけませんでした。
ぽーは、ウキウキしながらママの手伝いで一緒に行くことになっていました。
「ねぇ、ママ。おかしは持っていってもいいの?」
「いいけど、荷物が多くなりすぎないようにね。種の袋も持っていかなくちゃいけないから」
「わかった。少しだけにするね」
「さあ行こっか!」
「やったぁ!」
ぽーは、ぴょんぴょん飛びはねてよろこんでいます。
「今日は、海の上を飛ぶからね」
「うん、わかった!」
こうして、ママとぽーは南の方向へ飛んでいきました。
しばらくすると、とても大きな青い海が見えてきました。
「わあー! おおきな海! あっ、あれが船だね」
「そうよ」
大きな船と小さな船が、ゆらゆらゆれながら進んでいます。
そのまま飛んでいると、とつぜん水しぶきが上がりました。
ザバーン
「ん……? なんだろう?」
ぽーは、じっと海を見ました。
「あっ、本で見たことある。クジラだ!」
クジラが二頭泳いでいました。
「あれは、親子のクジラだね」
「じゃあ大きいクジラは、パパかな? ママかな?」
「うーん……たぶんママかな」
「そっかあ」
大きな親クジラの後ろを、小さな子どもクジラがぷかぷかとついていきます。
まわりの波が、静かにゆれていました。
「ぽー、そろそろ行こっか。日がくれてしまうわ」
海の上をしばらく飛んでいると、太陽の光がどんどん強くなってきました。
「このあたりは夏だね。もうすぐかな、ワクワク」
まっ白で大きな入道雲が見えてきました。
「あれが、ワポの実の畑のある雲だよ」
「うわぁ……大きいね!」
「じゃあ行こう、ぽー」
ふわふわした入道雲の上に着くと、そこには大きな畑がありました。
「ぽー、この袋に入っている種を、『大きくなあれ』って言いながら植えてね」
「うん、わかった!」
ぽーはふわふわの雲の中の畑に、種を植えました。
「大きくなあれ!」
「その種が、雲の中で太陽の光を浴びて、雲の水分をもらって大きくなっていくんだよ」
「そっか。ワポの実は太陽の子だもんね」
「そして、この入道雲の畑が私たちの住む空に戻ってくると、たくさんのワポの実がなってるのよ」
「へえ……。ねえ、ママ。ワポの実をとるのを、てつだいたいな」
「じゃあ、ぽーにやってもらおうかな」
「やったぁ♪」
こうして、ママとぽーはたくさんのワポの実の種を、入道雲の畑に植えました。




