2・おやつの時間
ぽーは、今日も雲の階段をおりてぼうけんに出かけていました。
ママとの約束で、おやつの時間には家に帰って『ワポの実』を食べなくてはいけません。
そのわけは……
ぽーは「さわりたい!」と思うと、雲の下の物に触ることができます。
でも、物に触るたびに、ぽーの体はどんどん小さくなって、やがてなくなってしまうのです。
それを回復させてくれるのが、ワポの実。
きれいな赤い色の、丸い形をした果物です。
今日も、ぽーは風船が飛んでしまって泣いている女の子のためにとってあげたり、迷子の子をパパとママのところまで連れていってあげました。
ぽーは困っている子を見ると、ほうっておけないのです。
そして、おやつの時間になると、おばけたちにしか聞こえない鐘の音が、雲の上の教会から鳴り始めます。
カラーン♪ コローン♪
カラーン♪ コローン♪
「あ……っ、かねの音だ。おうちへかえらなきゃ」
今日も、ぽーが湖の上を飛んでいると、鐘の音が聞こえてきました。
「おやつ、おやつ、おやつのじかんだよー♪」
ぽーは、ごきげんに歌を歌いながら帰ってきました。
「こらっ、ぽー。また今日も、たくさん触ったのね」
ママは、ぽーの小さくなってしまった体を見て言いました。
「ごめんね、ママ……」
ぽーは、しょんぼりしています。
「ほら、ぽー。ワポの実を食べて」
ぽーのやさしさを知っているママは、しょうがないなあと思いながら、ワポの実を渡しました。
もぐもぐ もぐもぐ……
「ねえ、ママ」
「うん、なに?」
「どうしてワポの実って、赤くて丸いの?」
「ワポの実はね、雲の畑で太陽の光をいっぱい浴びて育つでしょ」
「うん」
「だから、太陽の色になっていくのよ。
それに、太陽の光をたくさん浴びるために、丸くなったの」
「そっかぁ。ワポの実って、太陽に似てるね。小さな太陽みたい」
「うんうん、そうね。さて、お昼寝の時間よ。おやすみ、ぽー」
「おやすみ、ママ」
すやすや……
ぐぅぐぅ……
「さて、ワポの畑に水をやってこようかな」
こうして、ママは今日もワポの畑のある、モクモクとした大きな入道雲に出かけていきました。




